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部下に厳しすぎる上司がいたら、その人の「過去」を確認すべき理由

2019.05.24

■連載/あるあるビジネス処方箋

 あなたの職場には、部下の仕事や勤務態度などに対して、異様に厳しい人がいないだろうか。自分のことは常に棚上げし、「そんなことではだめだ!」などと責めたりする。結論から言えば、その人たちの多くは、これまでの人生で、何らかの「挫折」や「トラウマ(心の傷)」「劣等感」をもっている可能性が高い。今回は、その原因となったものを私のふだんの取材で得た情報をもとに考えたい。

「キャリア」

 キャリアに何らかの「挫折」がある人だ。私の周囲には例えば、20代後半で広告会社に「第2新卒」として入り、現在、30代後半の男性がいる。この男性と話すと、同じ会社の同世代で、新卒入社した社員に厳しい。「あんなこともできない」「このくらいの結果しか残すことができない」と狙い打ちをする。ターゲットは、特に男性だ。「あんなこともできない」の「あんな」は、実は本人もできないはずの、難易度の高い仕事。しかし、自分のことは棚上げし、批判する。

 男性は、自らの処遇に不満のようだ。配属部署や担当の仕事、昇格のスピードに思うところがあるらしい。特に同世代で、新卒で入った男性よりも管理職になる時期が遅いことに、強い不満がくすぶっているようだ。男性は、まだ一般職。昇格が遅れる理由は、本人も正確には把握できていないようだが、私の前ではあたかも心得ているかのように話す。「人事制度が実力主義ではない。だから、第2新卒の自分は報われない」と強がってみせたいのだろう。キャリアに「挫折」がある人は、その不満や怒りを同世代で昇格が速い社員に向ける可能性がある。

「学歴」

 例えば、学歴である。私の観察では、最終学歴が特に高卒の人が、大卒の同世代の社員にライバル意識を持つ。目立つのが、高卒の男性で30代前半までくらいの社員。このタイプが、大卒で20代の社員の男性を狙い打ちにする。「お前、〇〇大学を出たんだろう?」「なんで、こんなこともできないの?大卒なのに?」…。人目もはばからず、口にする場合がある。それほどに劣等感が強いのだろうか。

 なぜか、東京大学卒業の社員には何も言わない。同じ会社にいたとしても、一緒に仕事をした経験はないはずなのだが、東大卒の社員を「仕事ができる」と言いきる。その根拠が曖昧なのだ。そして集中的に狙うのが、入学難易度が東大よりも1∼2ランク下の大学だ。このクラスならば、「自分でも入学できた」と思っているのだろうか。いずれにしろ、この層を狙い、いじめなどをする場合がある。

「性」

 私の観察では、女性が目立つ。ある程度の学歴や教養を身につけ、同世代の男性と対等に仕事をしてきたと思い込んでいる30代半ばから50代に多い。この女性たちが口にするのが、次のようなものだ。「うちの会社は、男はバカでも、部長になれる。女は、管理職にすらなれない」「男は誰でも、役員になる。女はなれない」…。これが事実であるかはおそらく、人事部長や役員も正確にはわからないだろう。会社の人事とは、相対的に決まるもの。ここまで明確なものは、実はない場合が多い。

 きっと心の奥深くに、「私はもっと認められていい」という思いがあるのだろう。しかし、そこまで本当に言いきることができるかは、広い視野で冷静に考えてみる必要がある。自分の扱いに不満をもつ社員は性別や年齢を問わず、相当に広い範囲にわたり、いるものだ。この女性たちは、そこまで見渡す余裕はないのかもしれない。

「仕事」

 仕事そのものに何らかの「挫折」や「思い入れ」がある場合も、厳しくなることがある。例えば、私の知人で、小中学校の教材会社に勤務する30代の男性がいる。編集者である彼は、識者の対談や座談会を時間内で記事にする仕事で苦労をした。つまりは、苦手意識をもっている。だからこそ、この仕事に取り組む後輩の前では、教師のように振る舞う。過去に失敗を繰り返したことは決して言わない。何か、特別のスキルを身に着けているかのごとく、もったいぶって後輩に話す。そして、些細なことに注意をして、「自分こそが先輩であり、優秀なのだ」と演じる。後輩がスムーズにできると、嫉妬し、いじめなどをする場合すらある。

 最後に…。仕事にあまりにも厳しい人から叱責を受けたとき、落ち込むことがないだろうか。だが、私はまずは、その人の過去を想像してみようと呼びかけたい。おそらく、9割以上の確率で何らかの「挫折」や「トラウマ(心の傷)」「劣等感」やそれに近い思いをもっているはずだ。特に今回紹介した「キャリア」「学歴」「性」「仕事」などである。そのレベルの人なのだから、あなたはへこむべきではない。自虐的になるべきでもない。相手は、劣等感に今にもつぶれそうな弱い人なのだから。

文/吉田典史

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