もっと目立たない製品はないものか? ドイツ車ならメルセデスにBMW、AV製品ならパナソニックにソニー、釣り具ならダイワにシマノ、60年代イギリス音楽ならビートルズにストーンズ、少年週刊誌ならサンデーにマガジンというように、ほとんどのジャンルにライバルが存在する。「ファイテン」に競合はないのか? 「磁気ネックレス」をキーワードに検索すると、上位に「製品情報|コラントッテ【公式】」なる見出しが現れ、説明文には“磁気治療器”“宇野昌磨選手”“磁気健康ギア”といった文字が並ぶ。ライバル発見だ!
「コラントッテ」公式サイトを見てみる。ネックレスは本体(「ファイテン」でいう紐部分)とジョイント(同 留め具部分)からなり、こちらもジョイントのアクセサリー性は高い。画像で見る分には惹かれるが、自分が使うとなると躊躇してしまう。しかし、あるモデルに目が留まった。“売れ筋”コーナーと“コリが気になる人にオススメ”コーナー双方にある、「コラントッテネックレス ルーチェ」(税込価格20520円)だ。同社が“ジョイント”と呼ぶ部分が、「ルーチェ」では“留具”と表現されているように、あくまでも留め具だ。“本体”だけのネックレスなので、僕でも気後れしない。
「チョッパーモデル」と「ルーチェ」、どちらが僕に効くかは、ある程度の期間、使わないことにはわからないだろう。ならば見た目に躊躇いがない「ルーチェ」がいい。ただし価格は、「チョッパーモデル」の約2倍だ。では実勢価格はと、いつものようにYAHOO!ショッピングで探してみた。すると「ルーチェ」は定価販売20520円(税込・送料無料)のようながら、店によって付与ポイントが異なる。僕には21倍=4305円相当が付く店が少なからずあり、差し引き16215円となる。「チョッパーモデル」は最安店で7992円(同)と値引きがあり、僕に付くポイントは7倍=553円で差し引き7439円だ。価格差は1700円ほど縮まったが、それでも9000円弱「ルーチェ」が高い。
だがそれだけの差があっても、価格を調べているうちに「ルーチェ」を買うと決めたので、ここからは話を「ルーチェ」に絞る。この時期2週間にわたり、「ヤフオクアプリ限定 最大半額クーポン」というイベントが開催されていた。1日1回アプリでくじを引き、クーポンを手に入れる。大当たりの50%が出れば、最大1万円まで割り引かれる。暇に任せてほぼ毎日くじを引いたが、大当たりが出ることはなく3%ばかり。だが「ルーチェ」の価格を調べた日は、最大2000円まで割り引く10%クーポンが当たった。そこでヤフオク!で「ルーチェ」の出品を調べた。すると送料込みで16200円(税なし)がいくつか並ぶ。前述した16215円とほぼ同額ながら、ヤフオク!なら10%割引で14580円となる。とまあ、こういうお得な買い方もあるわけだが、僕のようにリタイアでよほど暇でないとできないかもしれない。
さてこうして購入した「ルーチェ」だが、「コラントッテ」には非正規品があるらしく、公式サイトで真贋判定ができる。外箱に貼ってあるシールに印刷されたQRコード下、12桁の製品コードを“真贋判定トレーサビリティシステム”に打ち込めばいい。結果は正規品と判定され結構なことながら、この12桁の英数字が小さい。62歳の目ではとても判読できず、拡大鏡の力を借りた。もうひとつ戸惑ったのは、商品画像を見たときから覚悟はしていたものの、ネックレス初心者の僕には、この留め具は外しづらく留めにくい。特に留めるのは厄介だった。ただし2週間ほどで慣れて、今はまったく問題ない。
しかし、そんなことより肝心なのは効果だ。ズバリ、凄い。つけた翌日から効果を実感した。本来、眠ることで体の疲れはとれるものだ。寝る前より、起きた時の方が首が痛いなんておかしい。思うに正座を続けると脚が痛くなるように、僕の睡眠中の姿勢があまり変わらないので、首が痛みだすのだろう。だが「ルーチェ」をつけてからは、寝起きの朝が1日で最も首回りが軽い。
「チョッパーモデル」を正林さんに返してから「ルーチェ」をつけるまでの間に感じ続けていた(もちろん「チョッパーモデル」を使う以前も)、首を真後ろに倒すと生じる鈍痛も消えた。慢性痛の左側は相変わらずだが、長期間の使用で解消されるかもという期待も湧く。唯一の不覚は、せっかく買った新品の枕が未だ使用の必要性を感じないことだ。買う順番を間違えた!? ただし不安もある。ネットに、1つより2つ、3つと複数使用するほど効果が高まるという声があること。深みにはまりそうな……。
最後に、反省あり。この記事を書くにあたり、正林さんにもう一度、「チョッパーモデル」を借りた。Tシャツ姿で、「チョッパーモデル」と「ルーチェ」がどう見えるか写真を撮るためだ。結果はご覧の通り。「ルーチェ」をTシャツの下に押し込んだところで、ネックレスをつけているのは見え見え。「チョッパーモデル」がTシャツの外に出たからといって、格段目立つというわけでもない。大いなる思い込みを反省し、ならば「チョッパーモデル」でもよかった、という気にもなる。いや、僕と正林さんがお揃いで「チョッパーモデル」をつけて釣り船に乗り込んだら、他の釣り人が引いてしまうか?
ともあれ「ルーチェ」、こんなに効果があるのだから、この購入にはまったく後悔なしだ。
文/斎藤好一(元DIME編集長)