子育てに専念するために育児休業(通称は育休・育児休暇)を取りたいけれど、その間は給与が出るのか気になるところですよね。実のところ育休中に給料は出ない場合がほとんどなのですが、育休手当など生活に支障が出ないような制度が用意されています。この記事では、育休中のお金にまつわる疑問を解消していきます。
なお、給与とは「給料+諸手当(残業手当や住居手当・ボーナスなど)」を指します。
育児休暇中に給料・給与は出るの?
育休中は給与が発生しませんが、企業によっては手当を支給しているところもあります。しかし、こういったケースはごく一部で、多くの企業は育休中に給与の支払いを行っていません。
育休中の収入はどうする!?
給与がもらえなければ、育休中の収入が減ってしまって生活できない……とても心配になっているかと思いますが、ご安心を。育休中には「育児休業給付金(通称・育休手当)」という、雇用保険(国)から給付金を支払ってくれる制度があります。
【参考】パパ、ママ必読!月給の3分の2相当の給付金が得られる「育休手当」の活用法
産休中に給料が出る会社はある?
産休中も企業によっては手当が出る場合がありますが、それもごく一部。しかし、全国健康保険協会(協会けんぽ)加入者は「出産育児一時金」や「出産手当金」が全国健康保険協会から支給されます。
公務員は育児休暇中に給与をもらえる?
公務員の場合も、育休中に給与が出ない代わりに、育休手当をもらうことができます。ただし、民間企業の手当とは名称・仕組みが異なります。民間企業に勤めている方は雇用保険から「育児休業“給付”金」が支給されます。一方、公務員は共済組合から「育児休業“手当”金」が支給されます。
なお、公務員は最大3年育休を取ることが可能。民間企業(最大2年)よりも育休を取れる期間が長いです。ただし、育休手当に関しては民間企業と同じ「子供が1歳になるまで」が原則となっています。
育児休業給付金と育休中の給与は同時にもらえる?
厚生労働省によると、「1支給単位期間において、休業開始時賃金日額×支給日数の80%以上の賃金が支払われている場合は、育児休業給付の支給額は0円となる」と明記されています。
つまり、育休に入る前の給料の80%の賃金が支払われている場合は、育休手当をもらうことができません。80%に満たない場合でも、支給額が減額される場合があります。
育児休業給付金はいくらもらえる?
育児休業給付の1支給単位期間ごとの給付額は、「休業開始時賃金日額×支給日数×67%(ただし育休開始から6か月経過後は50%)」です。
「休業開始時賃金日額」とは、育休開始前の6か月の給料を180日で割った金額。支給日額は1か月30日として計算します。
下記のリンクのように、育休手当の計算を行ってくれるサイトが数多くありますので、そちらもぜひ利用しましょう。
あなたの産休・育休の期間と金額を自動計算します。(社会保険労務士法人アールワン)
育休手当はいつまでもらえる?
※厚生労働省 平成26年作成のリーフレットより抜粋
育休手当がもらえるのは原則、子供が1歳未満の場合です。しかし、以下のケースでは期間を延長することも可能です。
[1]特別な事情がある場合
保育園の空きがなく入所できない/配偶者の病気や離婚などの理由で育児が困難となった時など。最大2歳まで延長できます。
[2]パパ・ママ育休プラス制度を利用
父親・母親の育休を合わせることで、子供が1歳2か月になるまで期間を延長できます。
なお、いずれのケースも追加申請が必要となりますので注意してください。
【参考】育休手当の支給日は?申請期限はいつまで?覚えておきたい「育児休業給付金」の基礎知識
育児休業給付金の支給日はいつ?
育児休業給付金の支給日は原則2か月に1回ですが、希望すれば1か月ごとに行うことも可能です。
2か月おきのパターンで考えると、例えば4月20日から育休が始まった場合、「4月20日~5月19日分」+「5月20日~6月19日分」を、6月20日以降に申請することになります。
また、厚生労働省によると、育休手当は支給決定日からおよそ1週間で指定の口座に振り込まれるそう。
審査は即日完了するわけではなく、半月ほどかかると言われているので、育休開始から支給日まで約3か月を想定しておきましょう。
育児休業給付金の支給日計算方法
前述したように、育休手当の支給日は原則2か月に1回。2回目以降は2か月おきを目安に考えましょう。
なお、厚生労働省、都道府県労働局、ハローワークでは、育休手当の入金日に関する問い合わせは受け付けていません。
育休手当はすぐにもらえるわけではないので、金銭的に余裕を持って育休をスタートできるように準備しておきましょう。
文/bommiy
※データは2019年3月末時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するのものではありません