■連載/阿部純子のトレンド探検隊
次世代型の美容医療として脚光を浴びるプラズマ
総合美容専門メーカーのワールドジェイピーが展開するブランド「セブンビューティー」から、プラズマ技術を活用した美容デバイス「プラズマクル」(5万4000円・税別)が8月5日に新発売する。
工業、農業、環境などさまざまな分野で多くの製品に活用されているプラズマ。プラズマは宇宙空間の質量の99%を構成する物質であり、個体、液体、気体の次にある第4の物質と言われる。気体の分子に強いエネルギーをかけると、電子やイオンが分離して電離気体、いわゆるプラズマ状態になる。雷、オーロラなども自然が生み出すプラズマで、瞬発力が強くアクティブな閃光エネルギーであり、生き物の成長を促進させる力もある。雷が落ちた田んぼはその年豊作になると言われていることから雷を“稲妻”とも呼ぶが、実際にプラズマが稲の成長を促進させていることが判明している。
プラズマは医療業界でも注目されており、傷の治療やがんの治療、手術用機器の滅菌にも使われる。日本でも2014年から文科省の新学域領域研究として、名古屋大学を中心とした「プラズマ医療科学の創成」がスタートした。
プラズマを肌に照射すると、角質層、真皮まで深く入り込み、線維芽細胞に刺激を与え、コラーゲンの生成を行う。これによってハリや弾力が回復、エイジングケアが促進されることから、医療領域から美容領域への転用されたポスト美容医療として脚光を浴び、しわ治療、リフティング、傷あとや炎症の治療、ニキビ改善とさまざまな美容医療でプラズマが用いられている。
医療機器を作っているメーカーがプラズマクルを製造しており、皮膚科専用の医療機器プラズマBTと同じ技術を搭載しながら小型デバイス化に成功した。プラズマには超高温、高温、低温の3種類があり、プラズマクルは医療現場で用いられる40℃前後の低温プラズマを使用しているため、痛みもダメージといった肌への負担や、ダウンタイム(施術後から回復までの時期)もない。