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クラプトンの「461オーシャン・ブールヴァード」、UK盤マト1と日本盤を聴き比べてわかった事実

2019.04.13

 ステレオレコードは1958年に誕生し、本格的な普及には時間を要したものの、70年代になるとレコードはステレオ録音が当たり前になっていた。70年代後半から80年代前半のオーディオブーム、FM番組録音=エアチェックブームは、ステレオ音源の賜物だろう。

 さて僕は2ヶ月に1回、80年代前半の『FMレコパル』編集者時代からお世話になっている、ロックとオーディオの師匠・音楽プロデューサーの岩田由記夫さんとイベント「レコードの達人」を開催している。このイベントでは、70年代に活躍したアーチストの母国ファーストプレス(=マト1)、当時の日本盤、近年のリマスター盤など、アナログ盤を何枚か聴き比べる。母国盤のマト1は最も音がよいとされるので、このイベントには欠かせないレコードだ。

 4月20日に開催する第18回は、来日中のエリック・クラプトンをメインに聴く。試聴作品は、デレク・アンド・ザ・ドミノス期の『いとしのレイラ』、74年全米NO.1の『461オーシャン・ブールヴァード』、CD時代になってから発表され92年にやはり全米NO.1に輝いた『アンプラグド』だ。

 クラプトンの来日公演には、思い出がある。僕が初めて見た、75年の2度目の来日コンサートでのこと。『461オーシャン・ブールヴァード』からシングルカットされ、アルバム同様全米NO.1となった「アイ・ショット・ザ・シェリフ」を演奏する際に、クラプトンがタバコに火を付ける。ステージとはいえ、武道館会場内は禁煙のはず。だから「アイ・ショット・ザ・シェリフ」というわけだ。

 当時の観客のほとんどは喫煙者で、ライターを持っている。この曲の演奏中は、そのライターに火をつけたまま聴くのが“お約束”だった。何千個ものライターに火がついているのだから壮観、会場の武道館は独特の雰囲気に包まれた。今では絶対に見られない、御法度シーンだ。いや喫煙者激減につき御法度というより、もはやありえないシーンといったほうが正しいだろう。

『461オーシャン・ブールヴァード』UK盤。

『461オーシャン・ブールヴァード』の日本盤の意外な実力

 その『461オーシャン・ブールヴァード』、僕はUK盤マト1しか持っていないので、イベントで比較試聴すべく当時の日本盤を購入した。帯も付いた良好盤で800円だ。日本盤のマト1の見極め方は難しく(というより僕にはわからず)、このレコードもまずマト1ではない。ただし74年にリリースされた日本盤の帯が付いているので、以降数度登場した再発盤ではない。

 イベントに備えて、UK盤と日本盤を聴き比べた。UK盤の圧勝はセオリー通りだが、日本盤も悪くはない。そもそもの録音が素晴らしいのだ。クラプトンというより、70年代ロックを代表する名録音盤のひとつだろう。価格も3~4000円程度と高くないので手も出しやすく、マト1入門盤ともいえる。

 ここからが本題。この時に初めて日本盤を聴き、愕然とした。A面1曲目の「マザーレス・チルドレン」、UK盤と日本盤で左右が逆だ。イントロのギターが、UK盤では左から、日本盤では右から入る。2曲目以降もすべて逆だ。B面も2曲目までは同じながら、3曲目以降はたぶん逆だと思う。

『461オーシャン・ブールヴァード』日本盤。

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