もはや家に帰りたくない職環境!
ユニフォームに着替えたら従業員専用ゾーンからホテルだ、レストランだ、ショッピングモールだ、スパだ、カジノだっていう職場で働きますわね。で、休憩時間になるとまた従業員専用ゾーンに戻ってきて食事したり休憩したりする、そんなスペースをとくと見ていただきましょう!
こちら、日本でいうところの社食でございます。
広すぎだよ! これはもう社食なんていったら失礼ですね。なにしろこの食堂……ダイニングですかね……は、ハリウッド風に『フードスタジオ』という名前が付いていて、恐るべきことに、なんと従業員は無料で24時間料理食べ放題のビュッフェ形式!
これは全ビュッフェ部分の20分の1くらい。ようするにこの20倍くらい料理が並んでおります。
洋食から中華に麺にお粥にヘルシーメニュー、フルーツ、サラダ、エスニック。さらにそこまでやるのかスイーツまで! ビュッフェ台の総延長は50mくらいありましたから。
さらに食事するスペースだけじゃない。『グラマーラウンジ』と呼ばれる、ゆっくりとお茶を呑めるようなラウンジもある。
もう目隠しされてココに連れてこられたら、絶対に舞台裏だとは思わないですよ。舞台裏なんて発想すら出てこず、絶対にホテルの一角だと信じちゃいますよ。もちろん『スタジオ・シティ』の本当のラウンジは、もっとゴージャスではありますが。
さらにマッサージチェアまで置かれた休憩スペースね。
ちょっとした仮眠が本睡眠になって仕事に遅れるんじゃないか? と、そっちの方が若干心配。
もうこの時点で、日本のOLの皆さんは、湯沸かし室で世間話するのがアホらしく感じられてきたかと思う。しかし、この舞台裏の真骨頂はまだ他あったのだ!
『EXPRESS YOURSELF/自我展現空間』という看板の書かれた入口の奥に、なにやら真っ黒い壁に覆われた部屋がある。その黒いよーく壁を見てみると…。
この部屋、なんとストレス発散のために「王様の耳はロバの耳ぃ〜!」的に、どんな大声で叫んでもいいという防音室なのだ!
さらにその隣には、黒い壁から一転、真っ白い壁の部屋がある。
そうなんです。ここは落書きルームなんです。ストレスを極力ため込まないで仕事をしてほしいという部屋なんです、この二つの部屋は。
防音室にしても落書きルームにしても、オレなんか絶対に「セクハラよセ・ク・ハ・ラ!」と非難されるようなことを言ったり書いたりするんじゃないかという下卑た想像をしてしまうんですが、実はそれほど利用者が多いというワケではないらしい。
考えてみりゃそりゃそうだよな〜。食事だのラウンジだの、もうその時点で労働環境に満足しちゃってると思うもん。今までグルグルと見学させていただいた感想として。
そして、この更衣室から食堂やリラクゼーションスペースといった広大な従業員スペースにも名前が付けられている。その名も『ハート・オブ・ハウス』! 中国語 では『心臓地帯』(そう従業員向けパンフに書いてあった)。
ようするに、このIR施設の中でもっとも重要な部分は、この従業員たちのスペースであるってことですよ。ん〜『スタジオ・シティ』や前回リポートした『シティ・オブ・ドリーム マカオ』を運営している会社『メルコリゾーツ&エンターテインメント』(以下メルコリゾーツ)の従業員に対する姿勢が見えてくるネーミング。
『メルコリゾーツ』は『バック・トゥー・ハイスクール・プログラム』という、働きながら高校卒業の課程を取れるシステムも導入していまして、いわゆる従業員に優しい企業なんですね。そして、その優しさはスタッフだけに向けられただけではないことが、この後わかってくる!