DIME MAGAZINE
相手に好印象を残せる自己紹介のワザ5つ
では、どうすれば自己紹介で相手に好印象を残せるだろうか？ 荒尾さんは次の5つを挙げる。
1.印象は「明るさ、快活、肯定的、素直」を意識
「明るい印象の方のところに、人も情報も集まってきます。見た目の印象はじめ、声のトーン、言葉など、明るく、快活で、肯定的で、素直な印象を持たれるように意識すると良いでしょう。反対の印象である、暗くて、否定的で、苦々しく、反抗的な印象にみられないように気を付けましょう。
具体的な行動としては、まずは、相手に敬意を払っていることを示すためにも、笑顔と丁寧なお辞儀など基本的なことを大切にすると良いです」
2.メリハリをつけて名前を聴き取れるように話す
「自己紹介の大きな目的は、名前を覚えてもらうことです。名前が聴き取れないのは残念です。例えば話すスピードが聴き取れないくらいに早いと、今後の関わりを求めていないのかな～と思われるかもしれません。ゆっくり丁寧に発音しましょう。苗字と名前の間に少しだけ間を開けて話すと聴き取りやすくなります」
3.相手との共通点や、相手が興味を持つような内容にする
「聴き手を惹きつける話には、3つのポイントがあります。『共感の持てる話』『サプライズ・ニュース性のある話』『楽しい話』の3つです。いずれかの１つは入るように意識するといいですね。ただ、楽しい話をしようとして、はじめからウケを狙うと、ウケなかったときのダメージが大きいです。上級者テクニックですので、自己紹介のときに狙わないほうが無難でしょう。
万能なのは、共感の持てる話です。例えば、聴き手との共通点や、聴き手が興味のありそうな話題を入れましょう。ビジネスで初めてお目にかかるときには、下調べも重要です。前任者に、先様の担当者の情報を聞いておくなどの準備もしたいですね。
業界ネタも、異業種にとっては、新鮮な情報になり、サプライズ・ニュースですので、会社紹介を含めるときには、『業界あるある』など、『へえ〜』と思われる情報も小ネタで持っておくと良いですね」
4.クスっと笑えるような微笑ましいエピソードや自虐ネタで印象に残す
「端的に印象に残るエピソードを入れると、距離が縮まったような感覚になり、相手の記憶に残しやすくなります。『お饅頭10個入りをぺろっと食べるほど甘いもの大好きです』『“将来の夢はウイスキーになること”といえるくらいウイスキーが大好きです』『最近購入した○○に癒されている“名前”です』『最近○○が気になっている“名前”です』『浪人2年留年1年、昔から人一倍勉強が大好きです』『チャレンジの数も同期の中で多いほうですが、上司から怒られた経験は、それよりもはるかに多く、誰にも負けません』など自分のキャッチフレーズのようなものを作るといいです」
5.前向きな言葉で締めくくる
「最後の言葉は、印象に残りやすいです。ラストインプレッションも意識しましょう。『ぜひ、この後も声をかけていただきたいです』と、次につながる言葉で締める、あるいは、感謝の言葉で終わるのも効果的です。『本日お目にかかれて嬉しいです』、あるいは、『エネルギーいただきました』など、相手と時間を共有できたことへの感謝の気持ちを表しましょう。前向きで良い印象の言葉で締めくくりたいものです」
自己紹介の定番トークを作っておこう
荒尾さんは、自己紹介は、あらゆるチャンスにつながる機会だという。自己紹介で何らかの結果を出したいと考えているなら、定番トークを持っておくのがいいそうだ。
「自己紹介は、自分を知ってもらうチャンスです。毎回『何を話そう…？』では、ドキドキするだけで、自己紹介を生かせません。
例えば、定番トークを作っておくなどすると良いですね。仕事版とプライベート版などいくつか持っておくと、自然な笑顔ができるくらいの余裕が生まれるでしょう。『15秒なら何が言える？』『その倍の30秒なら？』『1分なら？』と、少しずつ増やしていくと、密度の濃い良い自己紹介の定番が完成します。
ちなみに、長すぎる自己紹介は、NGです。『長い』という印象しか残りません。端的で印象的な内容を、長くても1分～1分30秒までにしましょう。そして、聴き取りやすい声の高さやスピードなども含めて練習をして、慣れておきましょう。練習は裏切りません」
【取材協力】
株式会社チェンジ・アップ 代表取締役
荒尾千春さん
同志社大学大学院修了。オムロングループ企業役員秘書を経験後、アナウンサーに転職。フジテレビの「めざましテレビ」など1600回以上の番組を担当。現在は、大学非常勤講師、企業研修・講演など年間約200回登壇。
http://www.speech-changeup.com/
取材・文／石原亜香利
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