病気になった時に頼りになる「かかりつけ病院」。自分の健康を熟知しているお医者さんが近所にいてくれるだけで心強いことこの上ないものだ。
では実際のところ、かかりつけ病院があるという人は、いったい、世間でどのくらい存在するのだろうか?
「かかりつけ病院がある」全体の6割半、北海道・東北では7割強に
今回、直近1年以内に病院・医院・診療所・クリニックを受診したことがある、全国の20歳~59歳の男女1,000名(全回答者)を対象に、病院や医者に対する意識について調査が行われた。
はじめに、全回答者(1,000名)に、かかりつけ病院があるか尋ねる調査が行われたところ、「ある」は66.5%という結果に。日頃の病気や体調について相談する病院を決めている人が多数派となった。全体の3割半は、受診する際に自分の病状や都合に合う病院を選んでいるようだ。
居住地別にみると、かかりつけ病院が「ある」と回答した人の割合が最も高かったのは北海道・東北(72.4%)で、最も低かったのは北陸・甲信越(51.4%)だった。
次に、病院や医師、医療や医療費に関して不安や困難を感じることを尋ねる調査が行われたところ、「病院選び・医者選びは難しいと思う」(49.2%)が最も高くなった。
自身の希望や都合に合う病院や医者を選ぶ際に苦労した経験を持つ人や、合わない病院や医者を選んだことで、後悔した経験を持つ人が多いのではないだろうか。
また、治療費や将来に対する備えに関する不安を挙げた人が多く、「通院治療にどのくらいお金が必要か不安を感じる」(33.7%)や「入院治療にどのくらいお金が必要か不安を感じる」(33.2%)、「大きな病気(がん・脳卒中・心筋梗塞など)への備えに不安を感じる」(30.5%)や「老後にかかる医療費に不安を感じる」(29.3%)が上位に挙がった。
性年代別にみると、50代女性では「老後にかかる医療費に不安を感じる」(45.6%)や「セカンド・オピニオンの利用にはためらいがある」(37.6%)が全体より15ポイント以上高くなっている。
病院選びでの4大参考情報 「病院のホームページ」「家族や知人の評判」「病院検索サイト」「医者の紹介」
全体の半数が病院選び・医者選びを難しいと感じていることがわかったが、実際には、どのように病院や医者を選んでいる人が多いのだろうか。
全回答者(1,000名)を対象に、病院を選ぶ際にどのような情報を参考にしているか尋ねる調査が行われたところ、「病院のホームページ」(55.8%)が最も高く、次いで「家族や知人の評判」(46.9%)、「病院検索サイト」(32.0%)、「かかりつけの医者の紹介」(27.1%)となった。
性年代別にみると、20代女性では「病院検索サイト」(44.0%)が、50代女性では「かかりつけの医者の紹介」(40.0%)が、全体より10ポイント以上高い割合に。
同様の質問を行った5年前(2014年)の調査結果と比較すると、「病院のホームページ」(2014年39.8%→2019年55.8%、以下同順)や「病院検索サイト」(26.2%→32.0%)は上昇し、「家族や知人の評判」(69.0%→46.9%)や「かかりつけの医者の紹介」(54.7%→27.1%)は下降した。
インターネット上の情報を参考にする人が増え、周囲の人の口コミやかかりつけ医からの紹介を参考にする人は減っている現状が明らかになった。