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会えば会うほど好意を持たれる!?心理学の「ザイオンス効果」を仕事に生かすテクニック

2019.03.29

心理学の「ザイオンス効果」は、人との接触回数を増やすことにより好感度が上がる効果。これを雑談を中心にビジネスへと役立てることができるといわれる。その詳しい内容を、ビジネス心理学の研修を行う吉田こうじさんに聞いた。

ザイオンス効果とは

心理学のザイオンス効果とは、どんな効果なのか、まずは吉田さんに解説してもらった。

「ザイオンス効果とは、初めのうちは興味がなかったり、苦手だったりしたものでも、何度も見たり、聞いたり、知ったりすることで、次第によい感情が起こるようになってくるという効果のことです。ザイオンスの単純接触効果や、ザイアンス効果などと呼ばれ、1968年にアメリカの心理学者ロバート・B・ザイオンスが論文で発表したものです」

ザイオンス効果で得られる効果とは?

吉田さんによると、ザイオンス効果は次の3つに要約されることが多いという。

1.人は知らない人には攻撃的、冷淡な対応をする
2.人は会えば会うほど好意を持つようになる
3.人は相手の人間的な側面を知ったとき、より強く相手に好意を持つようになる

「私たちの生活の中にすっかりなじんでいるザイオンス効果の代表例としてテレビCMがあります。特に、日用品など、特段のこだわりのない商品について、私たちは知らない商品よりも、テレビCMでよく見かける知っている商品のほうに親近感を覚えます。

また普段、鏡で見ている自分の顔と、写真で見る自分の顔に違和感を覚えた経験はありませんか? 普段、見慣れている顔は、鏡に写った左右反転した状態です。ですが、写真は反転していないので違和感を感じたりします。あるいは、自分の声を録音して聴いてみると、まるで別人の声のように聞こえて違和感を感じることがありますが、これらも『普段から見慣れたもの』『普段から聞き慣れたもの』を心地よいと感じるザイオンス効果の身近な例と言えます」

このザイオンス効果は、「接触する頻度」が大切になるという。

「『遠くの親戚より近くの他人』とはよく言ったもので、年に一回、長時間会う人よりも、数分程度でもいいので毎日会う人の方に、私たちは好意を抱きやすい傾向があります。また、接触の仕方としては、『おふくろの味』に代表されるように、見たり聴いたりする以外にも、私たちの五感(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚)に訴えるものであればOKです」

一方で、ザイオンス効果は、誤解されがちなことがあるという。

「ただし、ザイオンス効果は『嫌いを好きに変える効果』ではありません。むしろ、嫌われている異性に何度もアタックすると、ストーカーと勘違いされる可能性もあるように、印象が悪い人が接触回数を増やせば増やすほど、悪い印象が強化されてしまいますし、また、接触するタイミングがいつも『相手が忙しいとき』なども、かえって逆効果になるので注意が必要です。

また、ザイオンス効果の実験では、相手に会えば会うほど、相手のことを知れば知るほど、印象の強化が進みますが、接触頻度によって印象が変わる回数には限界があることがわかっています。その回数は10回がピークで、それ以上は接触頻度を上げても印象は変わらないということです」

ザイオンス効果をビジネスに役立てるには?

ザイオンス効果はただ単に接触回数を増やせばいいとは限らないが、ビジネスに有効な手段であることは確か。どう役立てるのがいいのか、吉田さんは次の3つを挙げる。

1.回数を決めて計画的に行動する

「例えば、営業の場面なら、用事がなかったとしても、見込み客のところに足を運び顔を見せたり、メールをしたりことで、印象を高めることに役立ちます。ただし、顔を見せるたびに、売り込みやお願いをしてばかりだと、悪い印象を強化してしまいます。『お客さまのほうから声がかかるまでは、御用聞きとして挨拶回りに徹してみる。ただし最大10回まで』など、回数を決めて計画的に行動するのがいいでしょう。

また『人間的な一面を見たときに一層強く相手に好意を持つ』ということもわかっているので、仕事以外の『プライベートの意外な一面』を見せることを接触の際には心がけると、より効果的と言えるでしょう」

2.可能な限り無償で提供し続ける

「いくら接触頻度を高めても、『この人と会ってもビジネス上なんのメリットもない』と思われてしまっては、かえって逆効果になります。ですから、単純に回数を増やして顔を覚えてもらうだけでは足りません。あくまでもビジネスを前提に接触するのですから、『相手が欲しがっている情報を引き出し、可能な限り無償で提供し続け』ましょう。これは、お世話になったらお返しをしたくなるという『返報性の法則』とミックスさせた戦略的な活用方法です。

いますぐにビジネスの結果に結び付かなくても、ザイオンス効果を返報性の法則と併用することで、『これまで色々情報をくれたから、話だけでもきちんと聞いてあげようか』という心理状態に相手を自然に誘導することができるでしょう」

3.初対面で失敗しても粘り強く続ける

「多くの場合、初対面のイメージで、ビジネスパーソンとしての評価の大半が下されてしまいます。これを『初頭効果』と言います。人は、相手の評価を『第一印象で感じたイメージで決めてしまう』のです。初対面における最初の数秒間のイメージが、『信頼できそうなタイプ』、『胡散臭そうなタイプ』と印象づけられると、そのイメージは、その後も継続されてしまうので、第一印象をよくすることはとても重要です。

しかし、ザイオンス効果を使えば、たとえ初頭効果においてなんらかの理由で好印象を与えることがうまくいかなかったとしても、その失敗した原因をしっかりと分析して誠実に改善しながら、接触頻度を高めていければ、徐々にあなたに対する印象は好転するどころか、むしろ『決して諦めない粘り強い信頼できるビジネスパーソン』として、信頼されることすらあるのです」

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