あなたの知らない若手社員のホンネ~株式会社Nextremer/長屋晃司さん(30才、入社3年目)~
若手社員のやる気にイマイチ、首を傾げている管理職は、彼らを見直しきっかけとして、また転職が脳裏にちらつく若手は同世代の仕事ぶりを知る機会として、「若手社員の本音」はこれまでバラエティーに富んだ職種に就く若手を紹介してきた。今回はAIのベンチャー企業に勤務する公認会計士。彼は司法試験等と合わせて3大国家試験と呼ばれる公認会計士の資格を取得し、社員30数人のベンチャーに飛び込んだ。
シリーズ49回、株式会社Nextremer(ネクストリーマー)経営管理部 公認会計士 長屋晃司さん(30・入社3年目)。Nextremerは2012年に設立。AIを活用した対話システムの研究開発・サービスを主な事業にして会社は急速に成長。10名ほどだった従業員はここ数年で30数名に。長屋さんが転職した大きな理由も、この会社の将来性に期待したからである。
会社の成長に携わり、自分も成長したい
知り合いに「人付き合いが嫌いでしょう?」と、言われたことがあります(笑)。マジメな性格だなという自覚はありますが、人付き合いが嫌いなわけではないんですよ。
会計の道に進んだのは親戚に公認会計士がいて、自分も堅実で確実な地に足が着いた資格を取りたいと思いまして。専門学校に2年間通い公認会計士の試験に合格しました。その後、監査法人で上場企業の監査業務などを担当し、実務経験を積みながら、実務補習所に3年間通って。日本公認会計士協会に会員登録し、公認会計士となりました。
資格を取得して、さてどうするか。公認会計士は監査業務に携わります。監査法人は上場会社の決算書を第三者の目で監査をします。決算書の数字に根拠となる資料をぶつけ、証拠を積み上げ検証していく。その仕事は手順が決まっている中で、エラー探しをするような感じです。監査法人は第三者なので数字の誤りを指摘することはあっても、ビジネスサイドに立ち会社に対して“こうあるべきだ”という支援はできません。
やり甲斐的なところで、監査法人の仕事にモヤモヤしたものを感じていました。かといって大手の企業に入っても、経理関係の部署に組み込まれるわけです。会社の成長に携わり、自分も成長したいと思うと、これはベンチャー企業かなと。そんな時にベンチャー企業を支援する監査法人の知り合いに呼ばれた席で、NextremerのCEOを紹介されたんです。
「経営財務を担う人間が一人もいない状態なんだ。ぜひともうちに来てほしい」と、CEOに声をかけられまして。僕の方も渡りに船というか、会社の成長する過程でいろんなことを一から学べるぞと。公認会計士の資格を取得して数ヶ月で、勤めていた監査法人を退職し、この会社に転職をしました。