産後3ヶ月で仕事復帰「母から自分に戻れた」
楽観的な性格なので、そこまで落ち込んだりはしないのですが、フリーランスならではの苦労は感じます。絶対に今の仕事がずっとあるという保証はありません。2017年3月に第一子を出産しました。それまではフットワーク軽く動けていたのに、出産前後は仕事をセーブしなくてはいけません。本当は1月のファッションウィークにも出たかったのですが、臨月近かったので、さすがに断られました。仕事がしたくてしたくて、息子が3ヶ月になった頃、仕事復帰しました。日本では驚かれますが、フランスは育児休暇が3ヶ月なので、普通なことなんです。仕事復帰して、「母」から「自分」に戻っていく感じがしました。息子は夜もたっぷり寝てくれますし、義理の母がサポートしてくれるので、助かっています。
日本では常に早足だった
生まれも育ちも東京で、日本では時間の使い方がまるで違いました。常に早足で、なんであんなにせかせかしてたんだろう。日本に帰るたび、いろんな人から「穏やかになった」と言われます。パリにいると、小さい事が気にならなくなる・・・というか、気になっていたら暮らしていけない。ファッションウィークは年に4回〜6回の開催ですし、集中的に仕事をして、何ヶ月も仕事がない時もあります。その時は、息子とたっぷり一緒にいます。日本では、仕事がベースにあって、その合間に何かをするという感じだったので、今の仕事スタイルは耐えられなかったかも。今後は、日本の商品を扱う仕事をしたいと考えています。まだ計画段階ですが、お付き合いのある企業の方にその話をすると、「ぜひサポートさせて!」と言ってもらえます。パリに来てから、人とのご縁のありがたさをとっても感じています。
【取材協力】
ブノワ諒子さん
2012年パリに移住。パリファッションウィークで、イヴ・サンローランやトムブラウンなど一流ブランドの商談・販売を担う。日本語、英語、フランス語の通訳や、パリの企業へのアテンドなども行う。
文/岡のぞみ
フリーライター。営業、留学カウンセラー、広報の仕事を経て会社員10年目に独立。企業での1500件以上のPR経験を活かし、女性の起業やPRのサポートも行う。