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格安スマホに完全分離プランの影響はあるか?総務省モバイル研究会の寄付問題は?スマホ業界の課題を徹底検証

2019.03.16

■連載/法林岳之・石川 温・石野純也・房野麻子のスマホ会議

スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回は総務省の「モバイル研究会」について議論します。

菅官房長官の「4割削減」発言から始まった激震

房野氏:総務省の「モバイル市場の競争環境に関する研究会」(モバイル研究会)の議論は、3月に中間とりまとめが行われるようです。おさらいも含め、改めてこの研究会についての意見をうかがいたいのですが。

房野氏

【参考】
なぜ総務省モバイル研究会の有識者は理解が足りないのか?
総務省の検討会に物申す!今、必要なのはモバイル業界のグランドデザイン

法林氏:今回の議論の中心は携帯電話料金の低廉化を目指すことで、菅官房長官の「4割削減できる余地がある」という発言から始まった。その根拠が正しいか甚だ疑問ではありますが、動いてしまったので仕方ないからやりましょうかと。基本的には、「月々サポート」「毎月割」「月月割」という形で、端末を購入したユーザーに対して割引する販売奨励金を止めましょうと。販売奨励金に使っているお金を月々の料金を下げることに使いなさい、キャリアは儲け過ぎだ、というのが話の始まりです。

というわけで議論はしているんだけど、通信のグランドデザインをしている感じはあまりなくて、細かいところを潰している感じがして我々的には非常に不満が残るし、料金が下がる確約がないのに販売奨励金だけ禁止するという恐ろしい状態。ひどいなと思うんですが、総務省はゴリ押ししている。

バランスを欠いている感じがするし、研究会に参加している人たちの仮説を証明したいだけの机上の理論という感じが強いけれど、とりあえずNTTグループは間接的に国営企業ということになるので従う。去年の段階でドコモの吉澤社長が、2割から4割料金を下げると言っています。

KDDIは「ピタットプラン/フラットプラン」で販売奨励金のない分離プランは導入済みであると、でも将来的には値下げの余地があるという姿勢。
ソフトバンクは50GB使える「ウルトラギガモンスター+」がすでに分離プランになっていて、大容量で使う人はそれを利用してくださいと。少ない容量の「ミニモンスター」があるけれど、これを使う人はあまりいなくて、少ない人はY!mobile。Y!mobileの分離プランに関しては2019年年度に導入予定だと。

法林氏

石野氏:ドコモの値下げを見た後に導入予定。

石野氏

法林氏:ドコモの値下げは、予想としては4月中に発表で、おそらく6月から提供開始という格好だと思う。周知期間を少し設ける。どういう中身になるかは分からないですけど、今「docomo with」で提供しているような、月○千円引きという形がベースになるのではないかと言われている。そうなると、3社とも端末は、定価という言い方がいいか分からないけれど、ユーザーは決められた価格で買う。そこからの割引はない。その代わり通信料、基本使用料とかは安くなるだろうと。安くなる確約はないけど、吉澤社長は2割から4割下げると言っているので、今、仮に6000円から7000円払っているとすると4000円弱くらいになる、という言い分ですね。

石川氏:いやー……。

石川氏

石野氏:本当にそう落ち着くのかがまだ分からない。こちらは国会で法案化する法案マターになっているので、そこでもっと厳しくなる可能性もある。ガイドラインになるものとか法律改正に対応するものとか、いろいろ細かく分かれてますが、場合によっては法案になって本当に厳しくなって、完全分離しろとなったら、今、KDDIとソフトバンクは「対応済み」と言っているけれど、それで許されない可能性もある。実際、パブリックコメントを見てみると、auとソフトバンクは「ウチは分離プランを入れている」という話をしているんですけど、総務省の返答は「分離ではなくて完全分離です」という解釈をしていて。

石川氏:でも「完全」の定義ってよく分からない。

石野氏:そう。そこがよく分からないので、法律とかガイドラインで細かく決めているという感じだと思います。

法林氏:法律絡みの話をすると、ドコモは4月くらいに新しい料金プランを発表して6月に実施するんですけど、総務省の研究会の中では電気通信事業法の改正を視野に入れるという言い方をしていて、電気通信事業法を改正できるタイミングは、審議もあるので10月くらいになる。

石川氏:秋と言われていますね。

法林氏:秋になるとすると、ドコモが4月に新しい料金プランを発表して、その料金プランが改正された電気通信事業法とマッチングしないようだったら、ドコモがプランを修正することには応じると総務省は言っている。

石野氏:2段階でやるんですよ。

房野氏:なぜ4月に発表するのでしょう。電気通信事業法が改正されて、それに合わせて発表すればいいと思うのですが。

石野氏:待てばいいのにって思いますよね。

法林氏:早くやれというプレッシャーがあるのでしょうね。auは4月のドコモの発表を見て考えると言っているし、秋に電気通信事業法が改正されたとして、それにマッチしないところがあるんだったら、当然KDDIもソフトバンクも直さなくてはいけない。どこまで総務省の指摘を突っぱねつつ、齟齬のないように、法律に準拠するように仕組みを作っていくか。

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