BMW330i SPORTが本領を発揮したのは、急こう配が連続する箱根ターンパイクであった。極太のステアリングはクイックにして極上の操舵フィールを示し、路面に張りついたような(あるいは路面にレールが敷かれたような)コーナリングマナーを見せつける。ヒラリヒラリとした身のこなしは歴代3シリーズの魅力でもあったのだが、その精度が一段と高まった印象だ。コーナーからのアクセルONでの脱出時に見せる、安定感に満ち、バランスの取れた車体姿勢も理想的だと思えた。
エンジンを高回転まで使う場面では、ペダルとバイエルン製エンジンが直結しているかのようなダイレクト感を披露し、走りやすさに直結。パドルシフトを使うまでもなく介入する自動ブリッピングはけっこうジェントルで、それがまた大人っぽくていい。