路面の荒れた西湘バイパスを直進する限り、その快適感の印象は変わらない。きつい段差の乗り超えでも、ショックは軽微。ロングホイールベースとボディー剛性の高さのなせる技というしかないだろう。とにかくステアリング、足の動きに無駄がなく、鉄壁のフラット感にただただ感心するばかり。ドライブモードをコンフォートからスポーツに切り替えても、エンジンレスポンスは格段にシャープになるものの、乗り心地そのものは快適なままだったのである・・・。
えっ、330i M SPORTはそんな安楽なセダンなのか?そんなわけはない。静かで快適な室内も、エンジンを4000回転まで回せば、BMWならではのスポーツフィール満点の咆哮を発し、ドライバーの血を騒がせる。258ps、40.8kg-mの強力な動力性能に言葉をはさむ余地はないが、とにかく、どこから踏んでもトルキーでウルトラスムーズ。緊急回避的な急激なレーンチェンジを試みれば、まさにスッと向きを変え、ピタリと収束するゴキゲンかつ安心安全な低重心感覚溢(あふ)れる挙動、マナーにこれまた感動である。