iPhoneの最新モデルはXS/XS Max/XRの3つ。iPhone史上、もっとも大きなディスプレイのXS Max、カラーバリエーション豊富でカジュアルなXRと比べ、最初に出たXSはどうしても地味な感じが否めない。
XSはXの正統な後継機だけに、見た目も同じで違いもわかりにくい。一体どこが違うのか、この記事ではXとXSの差を見ていこう。
iPhone XSはXと比べてどんな違いがあるのか?
「違い」がわかれば、おのずと魅力が見えてくる。XとXSの違いを外観から中身まで掘り下げていく。
【iPhone X vs XS】見た目の違い
見た目がほとんど変わらないXとXSだが、見分けるポイントはある。Xはアンテナラインが側面にしかないのに対して、XSは上部と下部にもある。豆知識として覚えておこう。
【iPhone X vs XS】サイズ/重量の違い
XとXSのサイズは、70.9(幅)×143.6(高さ)×7.7(厚さ)mmとまったく同じ。ただし、重量はXの174gに対して、XSは177gと3g増加している。とはいえ、この程度ならほとんど同じと考えていいだろう。
【iPhone X vs XS】チップの違い
チップは、A11 Bionicから、「次世代」のNeural Engineを持つA12 Bionicへと進化。最大15%高速で、50%少ない消費電力が特徴だ。グラフィックスも最大50%高速となっている。XとXSのあいだで、もっとも大きく違うのが、このチップの性能と言えるだろう。
【iPhone X vs XS】容量の違い
容量はXの64GB/256GBの2ラインナップに対し、XSでは64GB/256GB/512GBの3ラインナップとなった。幅広い選択肢の中から選べるのは嬉しい限りだ。
【iPhone X vs XS】ディスプレイの違い
公表されているディスプレイのスペックは、全く同じ。ただし、Xのディスプレイを、XSでもそのまま使っているかどうかはわからない。数字に表れない部分の改良が図られている可能性はある。
【iPhone X vs XS】eSIMの違い
XSの特徴の1つである「デュアルSIM」。XSでは、Xのnano-SIMに加えて、eSIMも使えるようになった。eSIMは日本のキャリアはまだ対応していないため、海外旅行で利用するになるだろう。国内で契約を済ませ、あらかじめeSIMを設定しておけば、旅行先で物理的なSIMカードを調達する必要がなくなり、とても便利だ。
【参考】
ついにデュアルSIMに対応!iPhone XSでeSIMを使えるか試してみた
【iPhone X vs XS】カラーバリエーションの違い
XSのカラーラインナップは、シルバー/ゴールド/スペースグレイの3色。このうち、ゴールドはXにラインナップされていなかったので、XS固有のカラーということになる。
【iPhone X vs XS】カメラの違い
カメラは、スペック的には変わりないものの、ポートレートモードが強化されている。これは、ボケ効果と深度コントロールの進化によるものだ。また、ビデオ機能では30fpsの拡張ダイナミックレンジにも対応し、フロントカメラは映画レベルの手ぶれ補正も可能になっている。
【参考】
「iPhone XS」と「iPhone X」のポートレート機能を徹底比較してみた!
【iPhone X vs XS】音の違い
XSは、サウンドも地味ながら進化している。ステレオ再生がよりワイドに広がるようになっていて、ビデオ撮影でステレオ録音が可能になった。再生と録音の両面から強化が図られている。
【iPhone X vs XS】顔認証の違い
Xの目玉の一つであった顔認証機能のFace ID。もちろん、XSにも搭載されているが、おそらく認証精度に違いはない。ただ、認証スピードはXSのほうが速く、ウリのひとつとなっている。
【iPhone X vs XS】防水・防塵機能の違い
IEC規格60529に基づくIPコードが、XのIP67等級からXSのIP68等級となった。防塵性能はそのままだが、防水性能が「最大水深1メートルで最大30分間」から「最大水深2メートルで最大30分間」に向上している。
【iPhone X vs XS】電子決済の違い
iPhoneの電子決済機能であるApple Pay。XでもXSでも問題なく使えるが、XSではエクスプレスカードが予備電力機能つきとなった。Suicaをエクスプレスカードに登録すると、Face IDを使わずに直接利用できるが、Xではバッテリーが切れてしまうと利用できなかったのに対して、XSならしばらく利用できる。
【iPhone X vs XS】電源(バッテリー)の違い
XSのバッテリー駆動時間は、トータルとしてはXと比べて30分長くなった。ただし、機能別に見ていくと、ビデオ再生は1時間延びているが、連続通話時間は1時間短くなっている。これは、モバイル通信が「4G LTE-Advanced」から「ギガビット級LTE」に進化していて、消費電力が増えてしまったためだ。
iPhone XSやXS MaxのケースはXと違いがある?
サイズがほぼ同じXとXS。サイズが同じなら、例えばX用のケースならXSでも使えるし、その逆も可能ということになる。サイズが異なるXS Max用のケースは当然、Xとの互換性はないが、XS用のバッテリーケース「iPhone XS Smart Battery Case」なら「Xでも使えた!」という報告もあるようだ。
iPhone XSの保護フィルムはXと違いがある?
ノッチ部分も含めて、XとXSはディスプレイの大きさが同じ。ケースの場合と同じく、XとXSとのあいだで保護フィルムを流用できる。もちろん背面も同じなので、背面用のフィルムも流用可能だ。
見た目にはほとんど違いが見られない、iPhone XとiPhone XS。だが、細かく見ていくと、「意外と違うな」と感じていただけたのではないだろうか。
XからXSは、いわゆるマイナーアップデートなので、大きな機能追加というより、処理速度や使い勝手の向上がメインとなっている。地味な進化ではあるが、着実に使いやすさが向上している。同時にリリースされたXS MaxやXRの影に隠れがちだが、これから2018年モデルの購入を検討する人は、ぜひXSも候補の1つに入れてみてほしい。
文/ねこリセット