企画書や報告書などの社内資料は、日々作成に迫られるもの。社外に出すものではないため、それほどプレッシャーはかからないものの、種類によっては自分の企画が採用されるかどうかを分ける重要な資料もある。そこで今回は、社内資料の中でも社内提案用の企画書を作る際のポイントを、資料作成コンサルタントの山橋美穂さんに伝授してもらった。ぜひコツを押さえて、わかりやすい資料を素早く作ろう。
社内資料を素早く分かりやすく作る3つのポイント
山橋さんは、一言で言えば、提案書・企画書作成のプロフェッショナル。PowerPointのトップスペシャリストとして、日本で6人目となるMVP受賞者でもある。そんな山橋さんに、ずばり社内資料の作成ポイントを聞いた。
1.いきなり資料に落とし込もうとしない
「いきなり資料作成に取りかかるのではなく、まず目的や構成、ストーリーの道筋を紙に書き出すことが大事です。頭に浮かんだことをいきなりスライドに落とし込もうとすると、作成している間に内容がブレてしまいます。たとえ社内資料でも、最初にしっかりと全体の構成を作りましょう」
2.ビジュアルにこだわりすぎない
「そしてどの図形を使うか、どのようなスキーム図を用いるか、何色を配色するかなど、ビジュアルにこだわりすぎると無駄に時間がかかります。色の使い方などはルールがありますので、ルールを理解すれば悩む時間を削減できます」
3.資料作成ツールの操作方法を熟知する
「3つめは、PowerPointなど資料を作成するツールの操作方法を熟知することです。よくあるのが、PowerPointの操作方法は知っているけれど、それらを効率よく使えず、作業に時間がかかってしまうパターンです。また意外と便利な機能が知られていないことも。資料作成のツールを自分の味方にすることで、効率よく短時間で資料を作成することができます」
ダメな社内資料の特徴
そもそも、社内資料のよしあしはどこで決まるのか。山橋さんにダメな社内資料の特徴を具体的に挙げてもらった。
●目的が絞れていない資料
「目的や的が絞れておらず、読み終わったところで何が伝えたかったのかが理解できない資料は、社内資料といえど意味がありません」
●SmartArtがやたらと使われた資料
「やたらとSmartArtを使って図解を試みるも、図解を使って説明したいことや伝えたいことと選択したSmartArtが合っておらず、逆に分かりづらくなってしまっているという資料も、ダメな社内資料の1つです。無理やりSmartArtを使って分かりづらくなるくらいなら、文字が多いと指摘されるのを覚悟で思い切って文字の羅列を選ぶほうがマシです」
●自社のオリジナルテンプレートが活用できていない
「自社のオリジナルテンプレートがあるのに使えていない、または自社のオリジナルテンプレートが中途半端であるのも、残念な資料に。せっかく会社がオリジナルテンプレートを用意しても、社員が使い方を分かっていなかったり意図を汲んでいなかったりすれば、統一感のある資料は生まれませんし、作業の効率化も図れません。
また逆に、オリジナルテンプレートを用意したはいいものの、パレットやレイアウトまでは考慮されておらず、結局レギュレーションがないために作業の効率化につながらない、というケースもよく見受けられます」