2013年運行開始のJR九州「ななつ星in九州」を皮切りに、JR東日本「TRAIN SUITE四季島」とJR西日本「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」が2017年から運行を開始。今までと違う鉄道旅を、クルーズトレインという新しい列車たちが提供してきた。
各社のアイディアと技術を結集して製作された絢爛豪華な車両や、立ち寄り観光など個性豊かなクルーズコースを構成したためか、どの列車を利用するにも抽選が必須なほど、人気殺到している。
読者のみなさんも興味津々のはず。そこで今回、JR西日本「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」を例に、美しく豪華な車内を探検してみた。
大阪〜札幌間の「トワイライトエクスプレス」の伝統を継承
2017年6月16日に運行開始したJR西日本「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」は、「美しい日本をホテルが走る。」をコンセプトに日本の原風景が多く残る西日本エリアを周る豪華クルーズトレインだ。
列車名は2015年まで大阪〜札幌間で運行されていた大人気寝台特急列車「トワイライトエクスプレス」を受け継いだもの。車両のデザインはもちろん、その伝統と誇りを受け継ぐべく命名された。
運行ルートは大阪・京都〜下関間
運行ルートは大阪・京都〜下関間で、主に山陽本線経由で走行する「山陽コース上り・下り」と、主に山陰本線経由で走行する「山陰コース上り・下り」のほか、その両方を経由する「周遊コース」が設定されている。
周遊コースは2泊3日、その他は1泊2日の行程だが、ほかのクルーズトレインと異なり、片道運行が設定されているのが「瑞風」の特徴だ。到着した旅先からさらに別の旅を続ける、そんな楽しみもあるわけだ。
早速「瑞風」の車内に入ってみよう!
「瑞風」は10両編成で、この世に1編成しか存在しない。部屋のタイプは最上位の「ザ・スイート」が1室、この列車におけるスタンダードの「ロイヤルツイン」が13室、1名利用を想定した「ロイヤルシングル」が2室となっており、全16室、最大定員34名という恐るべき少人数制の列車だ。両先頭車は展望車になっており、またラウンジ車1両と食堂車1両で編成が構成されている。
ロイヤルツイン
まずは「瑞風」の中で最も客室数が多い「ロイヤルツイン」を紹介しよう。定員は2名で収納式ベッドを採用し、昼間のリビングスペースと夜間の寝心地の両方を確保している。
「瑞風」の旅で重要視される車窓を存分に楽しむため、客室ドアを大きく開く機構とした。そのおかげで、進行方向に対して左右どちらの車窓も客室から眺められるようになっている。さらに、窓も開閉式とし、沿線の空気や風を感じられるのも特徴だ。
ベッドメイクされた室内。西川リビングの上質な寝具を列車全室で採用
2つのベッドのほか、小型のデスク、クローゼットが備えられ、またトイレとシャワーも完備されている。
各号車ごとにドアやエントランスなどの材質が異なり、いずれも沿線の木材などを採用している。室内のスイッチプレートには京都の森本錺金具製作所が作成した彫金があしらわれており、16室全て異なるタイプが採用された。