事業はアートであり、直感力が大事。
――企業買収で培った視点というか嗅覚がとても生きている気がします。
松村氏 僕は、絵画に興味があります。特にレオナード藤田、絹谷幸二氏、奥谷博氏の作品の傑作と言われている作品を多数所有しています。美術館も買ってあります。また大阪 梅田スカイビルにある絹谷幸二美術館には、松村謙三コレクションと名を打った部屋に500号の絹谷幸二氏の龍と富士山の最高傑作ほか多数貸し出しています。絵画は、真っ白なキャンパスに頭にイメージした絵を描いて行きます。事業も同じで、自分の頭で考え抜いたイメージを実現させていきます。絵画の世界的なコレクターに事業家が多いのも分かります。また絵画を買うか買わないかの判断には、3分もかかりません。見た印象だけで即断即決します。絹谷幸二氏や奥谷博氏は、私の事を画家の目を持っている事業家だと言ってくれます。事業も同じで投資するかしないかは、自分の直感力が全てです。直感を信じて即断即決できない人は、投資も事業経営も成功させる事はできないと思います。
――その感性があるから、松村会長は成功続きなのでしょうか?
松村氏 そんなことはありません。たくさんの失敗をしてきました。ただ失敗したなと思ったら、直ちにやめて事業を停止する判断と度胸が必要です。ダメだと思った事業を続けていると赤字が膨らむだけです。打った手が上手くいく事より失敗する事の方が遥かに多いものです。失敗したなと思ったら、傷が浅いうちにいかに早く切るかが勝負の分かれ目になります。自分の判断が失敗した時は、失敗を自覚し、素直に反省する気持ちが大切です。
(プロフィール)
ハズキカンパニー代表取締役会長兼CEO
松村謙三氏
1958年生まれ。成蹊大学法学部卒業。プリヴェ企業再生グループ株式会社代表取締役会長。
経済同友会。大阪大学大学院法学研究科、同大学知的基盤総合センターにて客員教授を務める。絵画に造詣が深く、藤田嗣治、絹谷幸二、奥谷博の一大コレクターとしても知られる。
山梨県清里駅前にある北澤美術館を既に買い取り、松村謙三美術館として企画、準備中。
(商品情報)
『ハズキルーペ』
メガネのようにかけられる拡大鏡。倍率は1.32倍、1.6倍、1.85倍の3タイプ、レンズカラーはクリアとカラーの2タイプ。フレームは新色のチタンカラー、ルビーなど全8色。すべて1万167円。
取材・文/箱田高樹(カデナクリエイト)