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静かにしなければいけない公共の場でも、音楽を楽しめるイヤホン。でも、冬にイヤホンをしているとノイズが走ったり、耳がバチバチして痛くなったりしたことはないだろうか?これはイヤホンの故障や耳の不調ではなく、じつは静電気が原因だ。
この記事では、イヤホンで生じる静電気現象と静電気が起きる条件、さらに、その対策について紹介する。
イヤホンで静電気が起きるってほんと?現象を分析
秋から冬にかけては、イヤホンに静電気が発生しやすい。ここでは、イヤホンに関する静電気の問題について紹介する。
バチバチと聞こえるのは耳から放電されたとき
イヤホンを使っているときに「バチバチ」という音が聞こえるのは、耳から放電される静電気が原因だ。ノイズとなり、音楽を聞きづらくなったりもする。これらは静電気が身体に溜まるのではなく、イヤホンを接続しているデバイスに蓄積されて起こる現象だ。
たとえば、身体に静電気が溜まった状態でドアノブなどに触ると、指先から放電されてビリビリを感じる。イヤホンもそれと同じで、耳から放電されたときに違和感を感じるのだ。特に空気が乾燥している季節や風が強い環境では、静電気が溜まりやすくなる。
静電気を感じるのは故障ではない?
イヤホン使用中に静電気を感じても、それがイヤホンの故障を意味するわけではない。電子機器は特定の環境や扱い方で静電気を蓄積しやすいが、これはデバイスの正常な動作範囲内だ。
カーペット上を歩いた後にドアノブで放電するのと同じ原理で、人体やデバイスに静電気が一時的に溜まっているだけだ。適切な湿度を保つなどの対策を取ることで、静電気を軽減できる。
有線とワイヤレス、どちらでも静電気は起こる?
有線イヤホンでもワイヤレスイヤホンでも、静電気は発生する可能性がある。有線イヤホンでは、ケーブルが放電経路となり静電気が耳に伝わりやすい。
一方、ワイヤレスイヤホンの場合でも、本体部分が皮膚や耳に接触することで静電気を感じることがある。どちらの場合も、静電気は環境要因によるものであり、デバイスそのものの性能や品質には関係がない。
iPhoneなどのスマホでも静電気を感じることがあるので注意
イヤホンだけではなく、スマホを使っているときに静電気を感じることがあるが、これも特定の環境下で起こる現象だ。
乾燥した場所や風が強い環境でポケットからスマホを出し入れする際、摩擦によって静電気が蓄積されやすくなる。
静電気を防ぐには、スマホをケースに入れたり、ポケットの素材を見直すことが有効だ。また、加湿器や静電気防止スプレーを活用することで、快適にデバイスを使用できる。
季節や天候に左右される!イヤホンで静電気が起きる理由とは
イヤホンの静電気対策をするために、まず静電気が起きる条件を学ぼう。
静電気が起こりやすい季節は秋と冬。具体的には、湿度20%以下・気温25度以下が条件となっている。逆に湿度が高く、80%以上あると静電気はほぼ発生しない。雨の日は静電気の心配がないため、快適に音楽を聞けるというわけだ。
乾燥や気温以外では、どういう状況だと静電気が発生しやすいのだろうか? 以下に静電気の種類と、その性質を紹介する。
・「摩擦帯電」
物と物がこすり合ったときに起こる静電気。例としては、歩いたり座ったりするだけで、服がこすれて起こる静電気現象など。
・「接触帯電」
物同士や人同士が触れ合って起きる静電気。レジでお釣りの受け渡しをするといったシチュエーションで発生することがある。
・「金属」
多くの人が経験する、ドアノブや車のドアに触れたときのバチッという静電気。イヤホンの場合は本体に金属部分があるため、指ではなくイヤホンに対して放電される。
・「はくり帯電」
くっついていたものが、はがれるときなどに起こる静電気。たとえば、電車の座席に座っていて背もたれから背中を離すときなど。この状態でイヤホンにふれると耳がパチパチっとしてしまう。
上記以外にも、イヤホン特有の動きとして、ポケットからデバイスを出し入れする、デバイスを持ったままジョギングするなどでも静電気が起こる。さらに、Appleの公式サイトでは、風でも静電気が溜まる可能性が言及されている。
静電気の発生を避けたいなら、なるべくイヤホンを出し入れせずに、バッグやポケットに入れたままにするか、ケースを使って保護するといい。