好まれる表情づくりのテクニック
表情づくりをうまく行うテクニックを山本さんに教えてもらった。
1.目
「目は口ほどに物を言うといわれますが、目には思っていることがダイレクトに表れやすいものです。目の表情を良くするためには、表面上のテクニックというより、どんな気持ちで相手を見るかということが大切になってきます。
人は好きなものを見ているときには自然と優しい目をしています。つまり、今目の前にいる人の“良いところ”を見るように心がけることが、目の表情をやわらかくすることにつながっていきます。どんな人にも良いところはあります。『笑うといい顔するんだな』とか『声が良いな』とか『手がキレイだな』とか、何でもいいのです。“良いところ”に意識を向けるくせをつけていきましょう」
2.眉
「眉がまったく動かない人は、よく動く人に比べて、表情が乏しいように見られます。眉はあまり動いていないようで、実は表情においては大事なパーツの一つです。驚いたときには眉を上げる、深刻な話をするときには全体を下げる、嬉しいときには眉尻を下げる、といったように、きちんと動かすと表情豊かになります。時間のあるときに鏡を見ながら、眉をめいっぱい上げる、めいっぱい下げるを数回繰り返して、眉周りの筋肉をほぐしておくといいですね」
3.口角
「口角は気付くと下がってしまっていることが多いので、要注意のパーツです。実は口角をしっかり上げるのはそんなに簡単なことではありません。意識していないと、つい下がりがちになります。口角を持ち上げる筋肉の強化のためにおすすめなのが、“割り箸トレーニング”です。割り箸を横に持ち、歯で横のままくわえます。そうすると自然と口角は上がります。そのまま数分間過ごすことを繰り返すことで、口角は上がりやすくなっていきます。テレビを観ているちょっとした時間や、メールをしている間だけなど『なにかのついで』でよいので、毎日続けてみましょう」
ビジネスにおいて、良い表情をぱっと出すには、日頃の練習やシミュレーションが必要といえそうだ。会話中も、好まれる表情を意識して、ビジネスを良い方向に進めよう。
【取材協力】
山本衣奈子さん
プレゼンテーション・アドバイザー、伝わる表現アドバイザー
高校時代から演劇に没頭し、玉川大学在学中にロンドン大学に演劇留学。「演じる」ことと「伝わる」ことの関係性に注目し、卒業後はその関連性を実社会で検証すべく、様々な業界にて30社以上に勤務。のべ5万人を超える人とのかかわりから、円滑なコミュニケーションの極意を見いだす。
http://www.e-comworks.co.jp/
取材・文/石原亜香利