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イエスのアルバム「危機」のマト1、ベストはUS盤か?それともUK盤か?

2018.12.08

イエスが、来年2月に来日する。イエスのコンサートは、イエスに在籍したことがあるメンバーによるユニットを含め、何度見に行ったかわからない。おそらく来日の度に行っているはずだが、残念ながら73年の初来日だけは見ていない。レッド・ツェッペリンもディープ・パープルもエマーソン・レイク&パーマーも初来日を見ている僕にとって、「危機」(曲名)を演奏したイエス初来日を見ていないのは痛恨の極みだ。

『危機』(アルバム名)発表時高校1年生だった僕は、前評判のよさに発売されるや日本盤を購入した。期待に胸を膨らませて針を落とすも、何がいいのかさっぱりわからない。変幻自在な音がこれでもかとちりばめられているものの、曲として捉えられなかったと記憶する。何度も何度も聴き返し、徐々にその素晴らしさを理解するに至った思い出深い作品で、後にも先にも聴き込んでやっとその世界観がわかった曲はこれだけだ。

『危機』。

「危機」をライブで聴きたくてたまらなかったが、何度かイエス(またはユニット)の来日公演に行っても、演奏されることはなかった。しかし98年の「Open Your Eyes and Thirtieth Anniversary Tour」で、ついに「危機」を聴くことができ、涙が出るほど感動した。まだ40代前半だったが、生きていてよかったとしみじみ思ったものだ。

『危機』の本国盤マト1がナンバーワン!?

来年2月の3日間にわたる東京公演は、初日が『危機』完全再現、2日目が有名曲中心、3日目が『サードアルバム』完全再現と、セットリストが異なる。いずれも魅力的だが、迷わず「危機」を『危機』ごと聴ける初日のチケットを購入した(本来ならすべて行きたいところだが、そこはリタイアゆえそうもいかない)。僕以上にイエス・フリークの後輩は、この年齢のメンバーが「危機」の高度な演奏ができるか疑わしいというが、これだけ実績のあるミュージシャンが「危機」を演奏すると公言する以上、期待は裏切らないと確信している。

その『危機』、アナログレコードのマト1(マト1についてはこちらの記事を参照)は、プログレッシブロック名盤のなかでも轟音としてつとに知られている。本国盤マト1の音が一番いいというのがアナログレコードの原則だが、イエスはツェッペリン同様に、アメリカのアトランティック・レコードと契約を交わしている。だから本国はアメリカというべきかもしれない。とはいえイギリスのアーチストなので、本国はイギリスという解釈も成り立つ。どちらが本国であれ、どちらのマト1も録音はすこぶるいい。ツェッペリンもしかりだ。

ただし、なぜ本国マト1が最高かというと、“オリジナルマスターテープは本国で通常は製作され、そのオリジナルから起こしたマト1の音が一番よい。他国のマト1は、オリジナルのダビングテープから作られるので劣ると”いう理屈だ。イエスもツェッペリンも、オリジナルがアメリカで作られようとイギリスで作られようと、もう一方の国のマト1はダビングテープからの制作となる。ならば他のアーチストのように、はっきりと優劣がつくはずなのにそうではないのだ。理屈を超えていて、僕程度のレベルでは説明しようがない。ちなみにキング・クリムゾンやピンク・フロイドでは、UK盤の方がUS盤より圧倒的に音がいい。

『危機』のUS、そしてUKのマト1を2年半前に購入した。先に買ったのがUS盤で、3000円くらいだった。聞きしに勝る爆音。約3000円の投資で40年以上前の名盤を、かくも凄まじい音で聴けるのかと感動したものだ。クリス・スクワイアのゴリゴリ・ベースのド迫力に、改めてイエスはクリス・スクワイアのバンドだと思い知った。続いてUK盤を手に入れると、やっぱり凄いド爆音で、US盤よりこっちが明らかに上だ。初期ツェッペリンのマト1は甲乙付けがたく、音の好みでUK派とUS派に分かれると思うが、イエスはUKの勝ちで決まり! と即断した。

US盤。SP工場。工場はラベル下方の文字、(ST-A-722619 SP)の右端、SP でわかる。

マトはB(説明は省くが、USの場合はAでなくてもFくらいまではマト1とされる)。

UK盤。

マト1(A面はA1、B面はB1と表示)。

ところが後に、アメリカには複数のレコード生産工場があり、その工場ごとにマト1が存在し音も違うと言われていることを知った。そしてアトランティックの場合は、PR工場生産のマト1が一番いいとされている。わがUS盤をチェックすると、生産はSP工場だ。となると、俄然PR工場盤が欲しくなる。幸い間を置かずに、ebayでEXコンディションのPR盤を落札できた。価格は5000円ほど。これを聴くや、ぶっ飛んだ。適切な表現が浮かばないが、ド爆音を凌駕する爆轟音と呼ぶとしよう。恐ろしいほどの音圧・音の洪水・煌めき。以降数多くのマト1を購入したが、ここまで録音のいいレコードにはあまり出会わない。

US盤。PR工場。

マトはA。

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