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入社3年目の本音「ガリガリ君の定番商品を生み出したい」赤城乳業・高橋翔平さん

2018.12.07

■あなたの知らない若手社員のホンネ~ 赤城乳業株式会社/高橋翔平さん(25才、入社3年目)~

前編はこちら

若手の仕事へのモチベーションを訊こうというこの企画。中間管理職にとってそれを知ることは、職場での円滑な人間関係を築く必須条件だろう。20代のビジネスパーソンにとっても同世代がどんな仕事に汗を流しているのか、興味あるところに違いない。バラエティーに富んだ職種を紹介してきたこの企画、今回は超ロングセラー『ガリガリ君』を製造・販売する赤城乳業の後編だ。

シリーズ42回、赤城乳業株式会社 開発本部 商品開発部 研究開発チーム 高橋翔平さん(25)入社3年目。赤城乳業の『ガリガリ君』は、実に年間4億本以上売り上げる。高橋さんは入社以来、数か月前まで、『ガリガリ君』の開発を一手に担っていた。彼は2年ほどの担当でリューアルを含め、30近い新商品を開発している。

外側にアイスキャンディーの薄い膜を作り、その中にかき氷を入れる手法で作られる『ガリガリ君』は、微妙な変化で味や風味が変わってしまう繊細なアイスキャンディーだ。高橋さんは微妙で繊細な商品の開発に奮闘する。

初めての一発OK

繊細なのは味や風味ばかりではありません。『ガリガリ君』は、色にも慎重な気配りをしなくてはいけないのです。人気の高い『大人なガリガリ君 ぶどう』の兄弟分として、マスカット味を開発した時でした。高果汁の商品なので、選び抜いたマスカットの果汁を使って、研究室では味も風味も評判が良かった。色も薄緑の美味しそうなものに仕上がり、社長のオッケーももらえたんです。

緑色を作る時は添加物として青と黄の液体を混ぜるのですが、最終段階で僕は青の成分を気持ち、ほんの少し減らしたんです。そうしたら、工場でミックスした時に、中に入れるかき氷の液体が真っ黄色になってしまった。味は同じでも、マスカット味のガリガリ君が真っ黄色のかき氷では製品になりません。

「なぜ、決めた通りの色合わせをしなかったんだ!」課長には厳しく言われましたね。味作りは担当者の感覚に頼る部分が大きいですが、色を決める添加物は何をどのくらい混ぜればどんな色になるか、はっきりと数値化されているんです。研究室で決めたレシピ通り配合していれば問題はなかったのに、自分の感覚で色の成分を置き換えてしまった。

繊細なガリガリ君だけに、数値でやれるところは、それをしっかり踏まえなければと思い知らされました。翌日が生産日だったので、社長にオッケーをもらった色を確認するのに、夜中の1時までかかりました。

チョコミントは思い出に残る成功例です。うちはチョコミントのアイスを昔から製造していますが、チョコミントで『ガリガリ君』を作ることはできないか。

「チョコミント風味は好き嫌いが分かれるよ」

「チャレンジフレーバーだな」

「是非ともやらせてください。やるべきです!」

前年のコンビニの実績をチェックすると、4〜6月のチョコミントに売上げが来ている。

「いいんじゃない、それやろうよ」会議ではマーケティング本部長も賛成してくれ、社長もうなずいてくれました。

チョコミントは糖類を含んだ水を製材に、ミントエキス、りんご果汁等を入れて蜜を作り、かき氷と細かいチョコレートを投入し中身を作ります。チョコミントは溶けやすいので、外側の薄いアイスキャンディーの膜作りは糖類の種類と配合の割合を工夫し、溶けにくくして。

なぜチョコミントが印象深いかというと、「これいいね、この味だよ」「スースーするよ」とか、味の確認で上司から初めて一発でオッケーをもらえたからです。ホームランを打った時のような感覚を抱けました。

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