2、自分の考えや意見に固執する
軌道から外れる人は得てして頑固であり、視野が狭く、自分を変えることができない。それ以前に、自分のミスや過ちをまず認めない。かたくなまでに自分の考えや意見に固執する。私が見てきた人のほぼ全員に該当している。軌道から外れていることを一応は心得ているのだろうから、劣等感や負い目の裏返しといえるだろう。あるいは、性格や気質によるものもあるのかもしれない。
私は、何よりも1で説明したように、半端じゃなく理解力が低いがゆえに、上司や周囲の社員、取引先や販売先の言い分を正しく把握することができないのだとみている。だから、何度も同じミスを繰り返す。なぜ、こんな人たちが40~50代になっても、会社員として残っているのかが解せない。本来、管理職を早急に外すべきであるし、状況いかんではリストラなどにするべきではないか、と私は思う。だが、職能資格制度のもとでは、いったん管理職になると、降格する人は極めて少ない。これは、多くの日本企業の寝深い問題なのだ。
今、「働き方改革」がブームだ。労働時間や休暇、休業など、会社員のいわば権利を主張することが「進歩的」と思われている。しかし、社内には権利を主張する以前に、社員として働いてもらっては困る人がいることも事実だ。私のようなフリーランスからすると、前述の中堅出版社の編集者のようなレベルの人では、困り果ててしまう。こういうことは「タブー」となり、なかなか公にならないが、切実な問題である。
40~50代で軌道から外れる人は、今回の一連の指摘、つまり、処理能力や理解力が半端じゃなく低いがゆえに過ちを繰り返すこと、さらには会話ができなくなっていることを素直に受け入れない。それどころか、攻撃的なメールを送りつけたり、からむような電話をしてくることもある。このような粘着質もまた、このタイプの人の特徴といえよう。
賢明な読者諸氏は、40~50代の軌道に乗っている人から学ぶべきである。軌道から外れた人とは深入りをするべきではない。ただし、このタイプはひがみや妬むことが多いので、足を引っ張られないようにはしておきたい。
文/吉田典史