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【海外で輝く人】コネなし英語力なし経験なし!サーファーが年商2億円の「オーストラリアで一番焼きそばを売る男」になるまで

2018.11.23

村松克洋37歳。オーストラリアのゴールドコーストで妻と3歳の息子と3人で暮らしている。彼の職業は、焼きそば屋さん。ブリスベン、ゴールドコーストを拠点に、オーストラリア全土で焼きそばを売りまくっている。年商は2億円をゆうに超える。彼が初めてオーストラリアを訪れたのは27歳。コネなし、英語力なし、経験なしの彼がどうやって「オーストラリアで一番焼きそばを売る男」になったのか。

達成感と絶望感を味わった会社員時代

克洋は静岡県で生まれ育ち、高校卒業後は、いくつかのアルバイトを経て、経営コンサルティング会社に就職した。23歳で独立し、自らのコンサルティング会社を経営。それから4年間は、仕事に没頭した。東京で会社をつくり、いいマンションに住み、いい車に乗る。お金に困ることもなかった。ずっと思い描いていた理想の生活を送り、「すべてを手に入れた」と思ったが、克洋が抱いていたのは絶望感だった。来る日も来る日も仕事に明け暮れ、遊ぶ時間はおろか、寝る時間もなかった。地元の友達に会ったのは何年前だろうか。これが本当に理想とする生活なのか。身も心も、疲れていた。克洋はこの日々から抜け出す決心をした。

知っている英単語は「NO」と「THANK YOU」

心の中にぼんやりとあった「海外に行ってみたい」という想いを実現するため、会社をたたみ、オーストラリアに行くことにした。「サーフィンがしたい」という理由だけで、渡航先をゴールドコースに決めた。ワーキングホリデーのビザと1週間分の宿だけを確保して、バックパッカーひとつで日本を発った。いつ帰ってくるかも決めていない。英語も話せない。知っている英単語はNoとThank youくらいだ。しかし、不安は全くなかった。その時克洋の中にあるのは、新しい扉を開くワクワク感、希望だけだった。

ゴールドコーストに到着し、克洋はすぐに言葉の壁にぶち当たった。何を言っているのか分からない。何が書いてあるのか分からない。お腹が空いてマクドナルドに行っても、「チーズバーガー」も通じない。「なんとかなる」と思っていたが、全くなんとかならない現実を知った。仕方なく、日本食レストランを探し、毎日通った。その後、なんとかシェアハウスを見つけ、シェアメイトの勧めで1ヶ月間語学学校に通うことにした。働くことのできるビザだが、仕事を探すこともなく、日本で馬車馬のように働いた7年間の憂さを晴らすかのように、毎日サーフィンをして遊んで過ごした。ある日、オーストラリア人のシェアメイトが、朝のマーケットに絵を売りに行くというので、ついて行ってみた。どこかの国から輸入した、よくわからない絵が次から次へと売れていった。彼は絵の売上で生活をしていた。その後も、何度かシェアメイトと一緒にマーケットを訪れるうち、克洋も日本から輸入した和柄のシャツを売るようになった。しかし、思いの外、売れ行きは悪く、儲けはさほど出なかった。ふと近くのハンバーガー店に目をやると行列ができている。聞くと、1日に10〜20万円ほど売れるという。「週1日の出店で生活できちゃうじゃん!!」こうして、克洋はマーケットで飲食店を開くことにした。

言葉の壁、人種の壁

マーケットで出店できる店舗数は決まっている。特に飲食系の店舗は人気で、新規の店舗が出店するのはなかなか難しい。克洋は絵を売っているオーストラリア人に頼み、マーケットのオーナーを紹介してもらった。オーナーがベジタリアンだと知り、「ベジタリアン向けの野菜焼きそばを作るよ!」と、提案し、見事出店の許可をもらうことができた。ところが、ある問題が浮上した。克洋のビザの有効期限が迫っていたのだ。オーストラリアのワーキングホリデービザの有効期限は1年間。もう1年延長したい場合は、指定された職業に3ヶ月間就かなければいけない。彼のビザの有効期限は4ヶ月を切っていた。慌てて農園の仕事を見つけ、住み込みで働いた。毎日農作業をしながら、お店のメニューやコンセプトなど、ビジネスプランを練った。3ヶ月間の仕事が終わり、あと1年、オーストラリアに滞在できることになった。

本格的に開店準備を始めてからは、めまぐるしいほど忙しくなった。焼きそば屋を開くためのライセンス試験の勉強をしながら、必要書類を揃えるため、何度も役所に通った。この頃の克洋の英語力はというと、留学生同士の日常会話はできるようにはなったものの、ネイティブの人との会話には苦労する程度だった。日本語であれば、さほど難しくない内容だが、ビジネス用語や専門用語も多く、知らない単語が出てくるたびに辞書で調べるため、書類ひとつ作成するのも大変な時間がかかった。焼きそばを作るための材料を仕入れるのも簡単ではなかった。いくつかの卸売業者を当たったが、実績もなく、英語も話せないアジア人を相手にする業者はなく、話も聞いてもらえなかった。しかし、JFCという卸売業者だけが克洋の話を聞いてくれ、協力すると言ってくれた。ライセンスや書類など、ついに必要なものが全て揃った。2009年9月「TEPPANYAKI NOODLES」がオープンした。

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