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真空管アンプで鳴らしたいBearHornの8cmフルレンジバックロードホーンセット『800 SuperKit』

2018.11.19

Impression

真空管アンプの製作と違って接着と圧着だけなので、作業は数時間で終了。木目シートが間に合わず、まだ貼っていない。軸上50cmでリファレンスのパワーアンプを使って特性を軽く測定してみると、ユニットの裸特性にあった500Hzと2kHz付近の落ち込みはそのままで、バックロードが効くのは80Hz〜90Hz付近のようだ。バスレフのように強いピークではないため聴感上は気付かないかもしれない。

このままのシステムで試聴してみると、明るく抜けのいい音で、高域から低域まで積極的に音が前に出てくる印象。低域が風のように軽くレスポンスがいい。女性ボーカルが生々しく、空間にポッと浮かび上がる。まさにバックロードホーンという音だ。出力100W以上のパワーアンプでドライブしても低音の量感はそんな出ない。量感よりもスピード感重視という感じ。デスクトップに置ける高さ40cm、幅11.4cmなので容積的に無理があるのかもしれない。

アンプを真空管シングルのパワーアンプSUNVALLEY『SV-S1616D/300B』に変更して、井筒香奈江「Laidback2018/You Are So Beautiful」(192kHz/24bit)を再生すると、ボーカルの響きがわずかに甘口に感じられる。もちろんボーカルだけでなく曲全体もウォームになった。これだけではまだ満足できないので、真空管プリアンプ『SV-Pre1616D』も接続する。スピーカーユニットは新品だが、音はかなり柔らかくなった。柔らかいといってもソフトフォーカスではなく、芯がある描写のまま微粒子のような響きが加わって、音楽全体がリッチになったような印象だ。『FE83En』は明るくヌケがいい反面ややドライな音に思えたので、これでやっと普通になったとも言える。

8cmフルレンジユニットは各社から発売されているので、ユニットを交換してもいいし、このユニットに合った真空管を探してもいい。またはエージングで音が変わるのを待つという手もある。このキットは完成後も、まだまだ楽しめそうである。

■Specification
サイズ=400H×192D×114W mm
材質=側板(MDFt12)その他部材(MDFt9)
スピーカー取付穴径=Φ73(8cm用)
推奨ユニット=8cmフルレンジ
(FOSTEX FE83En、FF88WK、P800K、マークオーディオ製8cmなど)
オプション=木目シート(ジャガーバール)裏面糊付き(2800円ペア)
510×410(側板、前板)2枚
200×120(天板)2枚

軸上50cmに測定用無指向性マイクを立てピンクノイズで測定した周波数特性。

スリムで高さ40cmなのでデスクトップ用、AV用にも使える。

デスクトップに置くとユニットと高さがちょうどいい。結局、真空管プリも投入。

写真・文/ゴン川野

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