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なぜハーバード大学の研究者は毎日リンゴを食べるのか?

2018.11.21

いつもリンゴを食べるハーバード大学の研究者たち

アメリカで生活していると、実に多くの人がリンゴを食べていることに気付きます。

学校で、街中で、公園で。リンゴを食べている人の姿を一日のうちに何度も目にします。

「食生活と健康」をテーマにした数々の研究を行っている、ハーバード大学・公衆衛生学科の研究者たちも例外ではありません。

彼らは、いつもリンゴを持参し、ランチや小腹が空いた時間に口にしています。

カットされたリンゴをお上品にフォークで食べる日本流の食べ方に対し、皮付きのリンゴにかぶりつくのがアメリカ流の食べ方。

健康意識の高い彼らがこぞって、リンゴを頬張っている姿を見て、「An apple a day keeps a doctor away.」は事実かもしれないと感じました。

リンゴにはどのような栄養分が含まれていて、私たちの身体にどのような効果を与えるのか?

最も栄養が吸収できる食べ方は何なのか?

その疑問を解決するために、ハーバード大学・公衆衛生学科の研究者である天野医師にお話を伺いました。

Q.「リンゴが身体に良いヘルシーな食べ物」というのは本当ですか?リンゴを食べるとどのような効果が期待できるのですか?

A.本当です。リンゴには様々な病気を予防できる効果があることが、多くの研究結果で証明されています。

1. 糖尿病の発症リスクの軽減

アメリカで、約3万8千人の対象者を9年間観察した研究で、1日に1-2個リンゴを食べた参加者は、全く食べていない参加者と比較して、糖尿病のリスクが28%減ったという報告が得られました。

糖尿病というのは基本的にインスリンの量が不足していることが原因です。インスリンは膵(すい)臓から分泌されるホルモンであり、血糖を下げる作用があります。

リンゴに含まれている「フラボノイド」という物質には抗酸化作用があるため、膵臓の細胞の損傷から保護することができます。

そのためリンゴを食べることで、膵臓からインスリンの分泌の低下を防げる可能性がある、と言われています。

2. 脳卒中リスクの軽減

スイスで、約7万5千人の対象者を10年間観察した研究で、リンゴの消費量が多ければ多いほど、脳卒中のリスクが減っていることが分かりました。

最も多くリンゴを食べていた参加者は、最も少なくリンゴを食べていた参加者と比較し、脳卒中のリスクが20%減でした。

リンゴに含まれている「カリウム」は、腎臓でナトリウム排泄を促して血圧を下げる作用が、そして、「ペクチン」はLDLコレステロールを下げる作用があると言われています。これらの成分を通じ、脳卒中を予防している可能性があると言われています。

3. 体重の減少

ハーバード大学が行った、約13万3千人の対象者を約24年間観察した研究で、リンゴをより多く積極的に食べた人は、食べていない人と比較して、体重減少が見られました。

これは、リンゴに含まれている繊維が消化を遅らせることで、食後に満足感を感じさせ、過食を防ぐことができるためだと考えられます。

さらに、リンゴをはじめフルーツに含まれている糖質は、フルクトース(果糖)が多く、グリセミック指数が低いのが特徴です。グリセミック指数が低ければ低いほど、血糖値が上がりにくいため、太りにくいと言われています。

「糖質」と言っても、フルーツに含まれている糖質と、スイーツに含まれている糖質では性質が全く異なるので、注意してください。

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