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部下が思わずキレそうになる上司の言葉

2014.02.04

■「だから?」

 部下が上司に、仕事について説明を求めると、返ってくる言葉。このような上司は、部下にわかりやすく説明をすることができない。そもそも、その仕事の要領を実は心得ていない。だから、めちゃくちゃなことを安易に教える。部下はそれを察知し、聞き返す。すると「だから?」と大きな声を出す。この「だから?」は、私たちが日常のやりとりで使うものとは違う意味合いを持つ。

 要は「俺がこんなに丁寧に説明をしているのだから、すぐ理解しろ!」「なぜ、わからないんだ?」という、怒りに近い感情を含んでいる。それだけに、部下の側もつい言い返したくなる。「そんなことは聞いていませんよ……」と。すると、先ほどの「言ったよね?」といった言葉が返ってくる。さらには「聞いてないぞ!」と言われることもある。つまり「言ったよね?」「聞いてないぞ!」「だから?」は、相関関係にあるのだ。いずれにしろ、これらの応酬は、上司と部下の間で中身のない「激論」となり、虚しさだけが残る。

■「君なんかに言われなくとも、わかってるよ!」

「言ったよね?」「聞いてないぞ!」「だから?」を巡るやりとりで、部下から反論されると、苦しまぎれに上司が言い返す言葉がこれ。「君なんかに…」と口にするのは、その部下に脅威とか、嫉妬を感じているからなのかもしれない。その思いは、「君なんかに」といった部分に見え隠れする。上司としては、自分を大きく見せたいのだろう。そして、なめられないように虚勢を張り、押さえつけようとするのだ。

 たしかに、部下から軽く扱われるようでは、部署も動いてはいかない。その考えは、誤りではない。だが、部下を押さえつけることが、管理職の仕事ではない。部下たちを束ねて組織を動かし、業績を素早く上げることが使命であるはず。

「君なんかに言われなくとも、わかっているよ!」と安易に口にする上司は、そのことを心得ていないように思える。自分中心の体制を守り、それに刃向かうものを押さえつけることを管理職の仕事と、はき違えている人もいるのでないだろうか。

■「はい?」

 部下の揚げ足を取るような時に、上司が小馬鹿にした表情を見せつつ、口にする言葉だ。私の上司は、首を斜めにやや傾け、耳を私のほうに向けて、うすら笑いをしながらよく言っていた。その頃の上司は、部下である私に日頃から何かを言いたかったのだろう。だからこそ、要領の得ない回答をすると、皆の前で自分のほうが優位であることを誇示したいのか「はい?」と大きな声で口にしていた。勝ち誇ったかのような表情で。

 今回、ピックアップした5つの言葉はすべて、私が20代、30代の会社員の頃、上司から言われたものである。今、冷静に振り返ると、上司がこういう言葉を発する前の段階で、双方の間で意見のぶつかり合いなどがあったことが少なくない。上司の自分に挑発的な物言いは、もしかすると、部下である私が日頃、口にしていた言葉への「報復」であったのかもしれない。

(文/吉田典史)

ジャーナリスト。主に経営・社会分野で記事や本を書く。著書に「封印された震災死」(世界文化社)、「震災死」「あの日、負け組社員になった…」(ダイヤモンド社)、「非正社員から正社員になる!」(光文社)など、多数。【お知らせ】2月18日に、全国書店で著者・吉田典史氏の新刊『悶える職場~あなたの職場に潜む「狂気」を抉る』(定価1300円、光文社)が発売されます。多くの苦しむ会社員にインタビューをし、300ページにまとめたノンフィクションです。ぜひ、チェックしてみてください。
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