3.自分が「遅い」と気づいていない
仕事が遅い人の特徴のひとつがこれだ。周囲に迷惑をかけていることを意識していない。言動をみる限り、特に反省もしていないし、何かを変えようともしていない。上司や同僚らの苛立ちにも鈍感だ。本人は、周囲の怒りの理由が自分にあるとは、思っていない。もしかすると、それを想像するような感性を持ち合わせていないのかもしれない。おそらく、周囲に損害を与えていると受け止めているのなら、仕事を消化するスピードをあげようと努力するはずだ。
4.仕事に対するモチベーションが低い
会社員たるもの、向上心があれば、多くの、そして、高度な仕事をこなしながら会社の業績アップに貢献し、自分自身も成長して出世していきたいと思うもの。そのためには、スピード感をもって仕事をそつなくこなすことは必要最低条件だ。しかし、仕事に対するモチベーションが低いとどうだろう? それすら素直に受け入れられず、前に進んでいくことが難しい状態になってしまう。「何のために、目の前にある仕事を速く処理するか」が最初から抜け落ちてしまうと、仕事を速くこなす必要性を感じなくなってしまうのだ。
5.そもそも、会社員に向いていない
極論を言ってしまうと、長年働いていても仕事のスピードが上がらない、遅い人は、会社員に向いていないのかもしれない。もしかすると、上司をはじめ、周囲の同僚の多くがそれに気づいているかもしれないが、本人は気づいていないことも多い。むしろ、キャリアを積むと、同世代の人と同じペースで昇格し、一定の待遇を受けることができるものだと信じ込んでいる。だから、現状を改善しようという意識がないということで、会社員としてはまさしく失格だ。
上司や周囲の社員は、特に多忙を極める部署の場合、「仕事が遅い人」への対応に疲れ切っていることが多い。結局、そのせいで周囲にしわ寄せがいき、負担が増えてしまうからだ。そのストレスが積み重なっていくと、「早く、他部署に異動してほしい」「早く辞めてもらいたい」と思われるようになる。それでも、仕事が遅い人がマイペースで、のろのろ仕事をして、悪びれた様子がないのをみると、職場全体の雰囲気に影響を与えかねない。
上司は、注意深くチェックをしながら、仕事のスピードをあげるよう、根気よくサポートし続けることが大切だ。自分自身のチーム力アップのためにも。
(文/吉田典史)
ジャーナリスト。主に経営・社会分野で記事や本を書く。著書に「封印された震災死」(世界文化社)、「震災死」「あの日、負け組社員になった…」(ダイヤモンド社)、「非正社員から正社員になる!」(光文社)など、多数。
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