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管理職が異動を通達する時によく使う言葉

2014.03.25

3.「社長や役員の考えで……」

 例えば、このようなものだ。「社長や役員が君に関心を持っていてじっくり育てたい、と言っている。そこで今回、異動になった」。特に社員数が300人以下の会社ならば、ありうる話かもしれない。しかし、これも真相はわからない。はっきりいえるのは、社長が本当に期待しているのならば、抜擢人事が行なわれるはずだ。管理職が悪者になりたくないから「社長や役員の考えで……」という言葉を持ち出し、摩擦を避けようとした可能性もある。社員数が300人以下の会社で、社長が本当に有望視しているならば、その社員は早いうちに処遇の面で頭角を現わす可能性が高い。その時、上司が「社長や役員が、君を育てたいと言っている。そこで今回、異動になった」といった言い分が事実であるかどうかが大体わかるものだ。

4.「君のことを思うからこそ……」

 1?3は「異動先の部署」「人事部」「社長や役員」からの依頼や要望で異動になる、という点で共通していた。一方、「君のことを思うからこそ……」は、上司が本音を口にしていると捉えることができる言葉だ。諸事情があるにしろ、上司が本当に部下のことを思って、異動を命じたといえないだろうか。取材で知りうる限りでは、こういうケースは残念ながら少ない。むしろ、1?3のように、他者を持ち出し、異動の理由を説明することが多いのだ。

5.「定期異動だから……」

 大企業ならば、年1回ぐらいのペースで、全社員を対象にした人事異動がある。実際に異動になるのは、そのうちの一部だ。上司が「定期異動の時期だ。君もこの部署に3年いたから、そろそろ異動のタイミングだね」といわれれば、その言葉は概ね、そのまま受け入れていいだろう。ただし、その際、必ず聞いておくべきことがある。「この3年間、私の仕事や働きぶりはいかがでしたか? ぜひお考えをお聞かせいただけないでしょうか」と。

 上司は本音を言わないだろうが、その回答から察しがつくだろう。定期異動であれ、上司は何らかの考えをもって異動を命じたはずだ。少なくとも、在籍中に上司として人事評価をしていたことは事実だ。部下としては、今後のキャリア設計という意味も含め、そのあたりのことを把握しておくべきではないだろうか。

 この時期は、他部署や支社、本社などに異動する人が多い季節。通達された方は、あらためて、自らの異動の意味を考えてみてはいかがだろうか。

文/吉田典史

ジャーナリスト。主に経営・社会分野で記事や本を書く。著書に「封印された震災死」(世界文化社)、「震災死」「あの日、負け組社員になった…」(ダイヤモンド社)、「非正社員から正社員になる!」(光文社)など、多数。

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