■Performance
ではいったいどんな音がするのか? 『AX-501』+Resonessence Labs『INVICTA/MIRUS』で鳴らしてみよう。やっぱりこのスピーカーは音像定位がいい。小型2Wayだからという理由もあるが、同軸の効果が加わっているに違いない。デスクトップに置いたセッテイングでも、ボーカルがピンポイントに浮き上がり、目を閉じれば口元をイメージできる。鉄製のガッチリしたスピーカースタンドに載せてセラミックインシュレーターを挟んで3点支持にすると、さらに左右の広がり感が出て音場がワイドになる。スピーカーを内振りにしなくてもセンター定位が出るので見た目もいい。『PRINCESS OF THE BREEZE/THEME FROM LUPIN III [2013 cool ver.]』を流すとブラスセクションのサックスがクールだ。スピード感あって、音の輪郭がクッキリしている。これに対して低域はわずかに膨らんだ感じでゆったりとしている。クセの出にくいリアポート式のバスレフだが、音量を上げるとバスレフっぽい量感のある低音が出てくる。これは全ての小型スピーカーの宿命で、低音の量感は諦め、音のつながりの良さとレスポンスを重視して密閉型にするか、ややクセがあるが量感のある低音感を重視してバスレフにするか、そのどちらかを選ばなければならないのだ。
デスクトップに置いても良し、スピーカースタンドに載せても良しの小型サイズ。
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■研究結果
TEAC『LS-301』は3月に発売されたばかりの新製品で、実勢価格約3万1000円でスタートして、4月現在は約2万7000円まで下がってきた。これに対して2011年発売の『S-300NEO』は約2万6000円とこなれた価格になっている。もしサイズ的に『S-300NEO』が置けるなら、断然、グレードの高いNEOをオススメする。私的に『LS-301』はハイコスパな小型スピーカーという位置付けなので、もう少し価格が下がればオススメである。『LS-301』はハイレゾ対応をうたっているが、これは単に高域の再生限界が高いという意味であり、『S-300NEO』がハイレゾに対応できないという意味ではない。『LS-301』はもともと『AI-301DA』とペアを組むために生まれたモデルなので、互いの相性は抜群だ。さらに上級機の『AX-501』や他のプリメインアンプで鳴らせば、本機はさらなる魅力を引き出せる実力機である。
●『LS-301』はシャープな音像定位が得られる
●『LS-301』はクッキリとした音の輪郭を描く
●『LS-301』は小音量再生が得意だ
●『LS-301』は適度な量感のある低音が出る
(文/ゴン川野)
オーディオ生活40年、SONY『スカイセンサー5500』で音に目覚め、長岡式スピーカーの自作に励む。高校時代に150Lのバスレフスピーカーを自作。その後、「FMレコパル」と「サウンドレコパル」で執筆後、本誌ライターに。バブル期の収入は全てオーディオに注ぎ込んだ。PC Audio Labもよろしく!