稀に耳にする女性社員同士のいじめ。男性社員は、意外とそれに気づいていないことが多い。では、女性社員間でいじめが行なわれる場合、どのような人がターゲットになりやすいのか? 今回は、私が過去に企業に取材してきた経験をもとに、いじめの対象になりやすい女性の傾向をいくつか紹介したい。もちろん、これ以外にも原因はあるのだろうが、職場での人間関係は良好であることにこしたことはない。懸命に仕事をしているのに、不毛な争いに巻き込まれると、仕事のリズムが崩れるだけでなく、体調や心の状態まで悪くなってしまうことがある。女性の方には、特に読んでいただきたい。
1.「私は、私の考えで……」我が道を突き進む人
日本企業であれ、外資系企業であれ、皆でチーム(組織)を組んで働く以上、同じ部署の人たちとある程度、協調性は必要だ。必要以上に気を遣うことはしなくてもいいが、常に表向きは合わせておくべきだ。そうでないと、チーム(組織)が機能しない。上司や先輩、同僚に関心を寄せることなく、「私は、私の考えで、進んでいくから」という考えで“わが道”を突き進むと、早いうちから職場で浮いた存在になりやすい。
※参考記事:職場で「浮いているかも…」と思った時の解決策
特に女性の場合、他の女性たちと話をさほどすることなく、目の前の仕事だけをしていると、孤立をしやすくなる。孤立すると、仕事の情報などが入ってこなくなり、何かとバカにされたり、いじめられるようになる。もちろん、不本意な話だが、同じ部署にいる女性たちと打ち解けて、時には一緒に行動することを意識するようにしたい。
2.「実力者」とぶつかってしまう人
女性社員がたくさんいる職場では、一定のヒエラルキーが存在する場合が多い。トップには、ベテランで実績のある女性が座り、その周囲に数人のベテランの女性がつく。それらの下に、そこそこのキャリアと実績のある女性と続く。もちろん、このような階層は、男性社員の間にも存在するが、その多くは、フォーマルなもの。つまり、会社が認めた、「主任→課長補佐→課長→部長→本部長→役員」といった序列に基くものである。
だが、女性社員の中に存在するヒエラルキーは、むしろ、インフォーマルなものが多い。会社の序列とは関係なく、女性たちの間で決まった“暗黙の了解”に近いものだ。これを無視して、自分よりもヒエラルキーの上のほうにいる女性とぶつかると、トラブルになりやすい。その女性の意向を汲み取って動く、他の多くの女性も敵に回してしまうことがある。こうなると、組織的ないじめに発展していくケースが多い。