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上司が2人だけの話し合いを求める時の理由5

2015.01.27

3.絶大な信頼を受け、組織のマネジメントの相談をされる時

 例えば、部下が数人いる課長がリーダー格の社員と2人で話そうとする時がある。この場合、話の中身にもよるが、課長はそのリーダー格の社員を信用している可能性が高い。部署のあり方や、部下たちのマネジメント(人事評価、人事異動、人材育成など)、問題社員への対応、トラブル処理、売上状況の把握・予測、販売戦略の見直し、部署の予算確保など、多岐にわたると思われるが、これらについて話をする時は上司から「側近」だと思われている可能性が高い。

 こういう話し合いの場で上司が口にしたことは、いかなる場合も口外するべきではない。上司としては信用しているからこそ、2人だけの場で話したわけだから。たとえ、上司が異動などで他部署に移った後でも、口にすることは避けたほうがいいだろう。「信用される」こと自体、貴重な財産であり、それが武器にもなることを忘れないようにしよう。

4.周囲に知られては困ること

 特に人事異動のタイミングなどで、上司と部下が2人だけの場で話し合う時などがそうだ。大会社の場合、人事部から正式な辞令が出される前に、上司が部下を呼び出して、異動の情報を伝えるケースが多い。正式な辞令が出るまでは、基本的には「機密事項」となっている。上司としては、このような時は他の社員がいるところで話すことを絶対に避けるべきだ。

5.いじめなどのパワハラ

 残念なことだが、上司が部下を辞めさせようとすることは多々ある。40?50代だけではなく、20?30代もターゲットになることもある。最近は上司が職場で堂々と「おまえなんか、早く辞めちまえ!」と大声で叱るといったことは少ないだろう。むしろ、1対1の席でこういうことを口にする人のほうが多い。「君のことをみてきたが、どうも今の仕事には向いていないようだね」「この会社では、君が活躍できる場がないのでは」といった具合に。だが、これが何度も繰り返され、部下が「私は辞めません」と答えた時、上司はそこで止めなければならない。

 そもそも、会社を辞めることは、社員の自由意思で決めることだからだ。会社がどうしても辞めさせたいのなら、解雇するべきなのだが、なかなか解雇という選択をしないのが実情だ。というのも、法的なトラブルになったり、騒ぎが大きくなることを会社は警戒しているからだ。だから、1対1の場で、自主的に辞めるよう、しつこく促すのだ。

 しかし、これは「退職強要」という行為でもあり、民法の損害賠償の請求対象になる。社会常識から逸脱した行為でもあるのだ。こういう話し合いは、本来は好ましくないことであることを管理職の方は覚えておいたほうがいいだろう。

 ここまで様々なパターンを紹介してきたが、部下の立場の方に忠告しておきたいことがある。それは、上司と2人だけで話し合うことを拒否することだ。これは避けたほうがいい。これを拒むと「業務命令違反」になる可能性がある。話し合ったところで、上司に不満を持つことがあるかもしれない。だが、できるだけ言い争いはせず、冷静かつ慎重に対応をすることが重要なのだ。

文/吉田典史

ジャーナリスト。主に経営・社会分野で記事や本を書く。著書に「封印された震災死」(世界文化社)、「震災死」「あの日、負け組社員になった…」(ダイヤモンド社)、「非正社員から正社員になる!」(光文社)、「悶える職場 あなたの職場に潜む「狂気」を抉る」(光文社)など、多数。

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