仕事を処理するスピードが圧倒的に早い人がいる。まさに「めちゃくちゃ」早いわけだが、その人を観察していると、いい面もあれば、悪い部分もある。今回は、私のこれまでの取材経験を元に、仕事がめちゃくちゃ早い人の特徴について考えたい。
1.実は仕事が雑
あるビジネス書を読んでいた時、「仕事のスピードが早い人は、正確な仕事をする」と書かれてあった。こうした傾向もあるのかもしれないが、私は、そのような人を今までに見たことがない。むしろ「スピードが早い人は、雑な仕事をする」といった捉え方のほうが実態に近いように思う。しかし、「雑である」ことが、必ずしも悪いこととも言えない。その程度にもよるのだが……。
理想を言えば、すべての仕事が正確であるべきなのだろう。だが、時間の制約があり、それが難しいこともある。そのような場合、「仕上がりが雑であろうとも、早く処理するべき」ものに真っ先に取り組むべきなのだ。仕事を処理するのが早い人は、このメリハリがあることが多い。このメリハリこそが、大切なのだ。
2.仕事のポイントを心得ている
1人の会社員が担当する仕事は通常、いくつもある。2?3つの場合もあれば、10を超える時もある。1つのことだけをするケースは少ないのではないだろうか。仕事を処理することが早い人は、それぞれの仕事の勘所やポイントを心得ている場合が多い。「この仕事の大事なところは●●●で、あの仕事の大事なところは▲▲▲」というように。
これをマスターしていると、スピードを上げるところと、そうでないところの区別がつく。これがきちんとできるようになると「仕事が早い」という評価をされるようになる。そうなれば、仕事をすることがきっと楽しくなるはずだ。すべての仕事に全力で取り組むからこそ、逆に苦しくなる。苦しくなるから、つまらなくなるのだ。