今回は、上司や先輩からみて、まったく使えない部下の特徴について紹介したい。こういう人は一応、仕事はするものの、使う側からしてみると、やはり「使えねぇ?」と思えてしまうのだ。それはなぜか? これまでの企業取材の経験をもとに、いくつか思い当たる特徴を挙げてみた。自分自身に思いあたることがないか、周りにそういう人がいないか、イメージしながら読んでほしい。
1.何を言っているのか、わからない
誰にも苦手な仕事はある。そういう時は、きちんとした説明を求められても、なかなか難しいものだ。これはある程度、やむを得ないことかもしれない。しかし、「まったく使えない部下」は、ほとんどの仕事について、何を言っているのか、意味がわからない場合が多い。それぞれの仕事の全体像やポイントを心得ていないことが、大きな理由として考えられる。あまりにも意味がわからないため、上司をはじめ、周囲の社員たちはしだいに離れていってしまうのだ。これは一概に、いじめとは言えないだろう。
2.直属の上司も使えない上司である
気の毒なことではあるが、「まったく使えない部下」は得てして、上司に恵まれない傾向にある。例えば、口では大きなことをいうが、実際は部下たちの育成力が極端に低かったり、30代後半の管理職であるはずが、なぜか、20代の非管理職の精神レベルとさほど変わらなかったりと、「使えない上司」に仕えることが多い。事実、ここ十数年、部下の育成力が下がっている管理職が増えていると指摘する声も増えている。困ったことに、こういう上司は自分を「優秀な上司」と思い込んでいる場合が多い。
つまり、使えない上司は、当然、使える部下を育成する力を持ち合わせていない。そもそも、自分が一定のレベルに達していないのだから、無理もない。素人に近い人が、素人に教えているようなものなのだ。これでは「まったく使えない部下」になってしまうのは当たりまえのこと。つまり「まったく使えない部下」は、ある意味、会社が作りあげた人材なのだ。上司やさらに上の管理職、役員、人事部などにも大いに問題があることになる。さらに言うと、労働組合も責められるべき点はある。ところが、これらの関係者は自分たちのことを棚に上げて、「まったく使えない人(部下)は、その人自身に問題がある」と思い込んでいるのだ。これもまた状況を一段と悪くする理由のひとつであることを覚えておきたい。