3.自分の上司との擦り合わせ
管理職であろうとも、その上に上司がいるはずだ。課長ならば部長、部長ならば役員などがそうだ。ほとんどの上司は、新たに異動してきた部下と、話し合いたいと思っているものだ。上司が催促しなくとも、部下の側から話をする場を求めるべきだ。部署の大まかな仕事や今後、2?3年ですべきこと、それぞれの部下の担当する仕事や問題点、課題、トラブルなどは念入りに確認しておきたい。1と2の話し合いを終えた後、今度は上司と向かい合って、擦り合わせをするとよいだろう。上司と話し合いをすることなく、自らの判断で部署の運営を進めることもあるかもしれないが、その場合、そのことを事前に上司に伝え、了解をとっておくべきだ。管理職はあくまで会社員であり、決して社長ではないのだから。
4.必ず目標を設定する
大企業の場合、管理職として異動になった部署には、最低でも3?5年ぐらい、籍を置くことが多いだろう。大手中堅、中小企業、ベンチャー企業になると、もっと長くなることがある。中には、10年以上、1つの部署の管理職をする人もいる。いずれにしろ、管理職として異動になった時、例えば、「3年間でこれだけはする」といった目標を設けること。
管理職としての3年間はおそらく短いはず。むしろ、短いと感じるぐらい充実しているべきだ。目標がないままだと、目の前の仕事を処理することだけで月日が流れていく。これでは、管理職として部署の業績を上げるだけでなく、責任ある仕事もできないし、またむ、部下からも信用されない。
管理職が異動すると、瞬く間に時間が過ぎてしまうことを実感するだろう。しかし、どうか、部下がいるということを忘れないでほしい。部下は、上司であるあなたの顔色をうかがいながら仕事をしている。可能な限り、部下たちへの配慮を欠かさず、仕事をするように心がけたい。言葉ひとつにしても、注意を払うこと。そうすれば、部下たちから信頼され、慕われる上司になれるばずだ。
文/吉田典史
ジャーナリスト。主に経営・社会分野で記事や本を書く。著書に「封印された震災死」(世界文化社)、「震災死」「あの日、負け組社員になった…」(ダイヤモンド社)、「非正社員から正社員になる!」(光文社)、「悶える職場 あなたの職場に潜む「狂気」を抉る」(光文社)など、多数。