4月もあっという間に終盤。この時期、部署を異動した管理職も多いだろう。誰でもそうだが、異動後の最初の1か月は、今後の数年間を左右しかねないほど大切な時期となる。ところが、管理職の中にはこの1か月間ですべきことをしないまま、仕事をしている人がいる。今回は、管理職が、異動した最初の1か月で押さえるべきポイントを挙げてみた。
1.前任者からのヒアリングを徹底する
意外にもできてそうで実はあまりできていない人が多い。管理職として部署を異動したのならば、前任者(の管理職)から、早いうちにこれまでの状況を深く聞くことをしたほうがいい。まず、部署の仕事の大まかなアウトライン、それぞれの部員の担当する仕事や問題点、さらには最近起こった、もしくは現在抱えているトラブルなどについてだ。
これらは「引き継ぎ」ということもあるが、実際にはさらりと1?2時間ぐらいで聞き終えるパターンが多い。もっと時間をかけて、部署の課題や問題点、部員間のトラブルや性格、人間関係まで押さえてことが重要だ。となると、少なくとも5?6時間はかかるもの。前任者のとらえ方に偏見や事実誤認があるかもしれないが、精度の高い情報が多いはず。このような話を聞くことができるのは、異動後1か月以内が限界だと思ったほうがいい。半年後、1年後に状況を聞いているようでは、はっきり言って遅い。
2.新しい部下たちと「1対1」で話し合う
これも、あまりできていない人が多い。部下と個別に、会議室などで2時間ほど、じっくり話し合う時間を設けたい。これも異動して1か月以内が好ましい。前任者の下で仕事をしていた時の問題点や課題、トラブルやその対応などは重点的に確認しておきたい。また、部下たちが抱えている不満や意見、要望なども聞いておこう。こういう話を聞いてもらえる存在だと思われると、部下たちから多少なりとも信頼されるようになる。はじめの1か月は、互いに求めることや課題、問題点、不満などを明確にしておくことが大きなポイントになる。