新年度が始まり、2か月が過ぎようとしている。この時期になると、心に多少の余裕が生まれ、人事異動で新しい(別の)部署に配属された人も自分の将来について「今後、どうなるのか?」と考えられるようになる。私も会社員の頃にも同じような経験をした記憶があるが、今回は人事異動や配置転換などの意味について、その回数や部署の在籍期間などからアプローチしてみたい。
1.30代後半ぐらいから3、4年で異動する人
このタイプは、早い人は30代後半から、遅い人は40代半ばぐらいから始まる。3?4年ごとに他部署に異動となるが、その都度、昇格することが大きな特徴だ。例えば、40代前半で営業課の課長に、40代半ばで部長に、40代後半で本部長に、50代前半で関連会社の役員に、50代半ばで親会社に戻って役員になり、50代後半で常務や専務、社長になるという流れだ。社長などから「幹部候補生」として、強力な引っ張りがあり、「トントン拍子」で出世していく。
いずれは幹部になるからこそ、様々な部署の責任者を経験させようとする経営陣のねらいがある。いわゆる「幹部候補生」と呼ばれる人は、40?50代になってから高い評価を受けるのではなく、20代後半から30代前半ですでに頭角を現わしていたケースが多い。その評価を裏切ることなく、続く30?40代も高いレベルの仕事をしている場合がほとんどだ。
2.関係の薄い部署間を短期間で異動する人
20代前半から30代前半までの、10年ぐらいの間に、仕事(横)のつながりがあまりない部署、例えば、営業部→総務部→工場、といった具合に、短期間で異動が繰り返される場合、上司からの評価が相当低い可能性がある。要は、異動するたびにその部署の上司から「うちの部署にはいらない人材」とレッテルを貼られ、異動させられてしまうのだ。
例えば、「営業→総務→工場」というコースにしても、それぞれの部の仕事にほとんど関連性がない。会社がその人のキャリアを育成しようと考えているのなら、関係の深い部署に異動させるケースが多い。“不要な”人材は、部署やキャリアに脈絡のない異動をさせられるのだ。