■連載/あるあるビジネス処方箋
今回は、仕事はできるのだが、部下から敬遠され、慕われない「残念な上司」の特徴を紹介したい。管理職は、プレーヤーとして仕事ができるというだけでは成り立たないポジション。部下たちをいかに束ね、チームを作り上げて、業績を上げるかが求められる。当然、そのためには、上司と部下の間に絶対的な信用が必要となる。単に命令をしているだけでは、部下から信用されることはまずないだろう。今回は、職場にいるそんな残念な上司の特徴を紹介しよう。どうか、こんな上司のマネをすることなく、あくまで反面教師として、読んでもらいたい。
1.上層部からも認められていない
上司が管理職として優秀であろうとも、役員など上層部から高く評価されていないと、部下たちの目は変わってくる。部下たちは、会社の歴史や内情、人事・賃金制度などのことは正確に理解していないかもしれない。しかし、誰の立場が強く、誰が弱いのかは、組織にいる以上、きちんと見抜いている。部下というものは最終的には必ず、強い側に立つ。部下に限らず、ほとんどの人は強い側に回る。自分の身を守りたいからだ。部下は、表向きは直属の上司には合わせるが、心の中では「この人は上層部から可愛がられていないから、自分も必要以上に近寄ると、扱いが悪くなるかも」と思ってしまうものだ。そして、次第に人が離れていく。
2.他の管理職から孤立している
管理職である以上、通常、他の管理職と深いつながりがあるはずだ。そのネットワークを通じ、互いに支え合い、ある程度、融通を利かせることができなければならない。ところが、管理職でありながら、上司が社内でそのようなつながりを持っていないと、部下たちは困ってしまう。管理職なら、日頃から、他部署の管理職との関係づくりをして、いざという時に役に立つようにしなければならない。それができなければ、部下たちは、心の中で「この上司の下にいてはダメだ」と思うだろう。
3.病気や私用で休むことが多い
ハイレベルな仕事ができるのだが、休むことが多い管理職がいる。例えば、病気がちで体が弱かったり、家庭の問題を抱え込んでいたりして、休まざるを得ないのかもしれない。これらは、ある程度は仕方のないことなのだが、会社組織に属している以上、「許容範囲」を超えてはならない。部下も、そのことは心得ているものだが、部下というものは上司に対して“完璧なもの”を常に求める傾向がある。例えば、トラブルが起こった時は、ちょっとでも困った状況になれば、必ず上司が助けてくれると思っている人が多い。こういう考えの部下からすると、会社を休みがちな上司は、優秀であろうとも残念な人でしかない。