■連載/あるあるビジネス処方箋
上司が自分のことをめちゃくちゃ厳しく叱るのは、なぜか? そんな悩みを抱えている人はいないだろうか。今回は、私の会社員の頃やこれまでの取材で知り得た情報を元に、その疑問に答えてみたいと思う。大切なことは、上司の激しい叱責を「自分を育てるために叱ってくれている」などと鵜呑みにしないことだ。そんな誤解を解くために、上司が激しく叱る4つの理由を挙げてみた。
1.「いじめ」である可能性
上司が必要以上に部下を厳しく叱る時、それを「育成」「指導」などと捉えるのには無理がある。本当に育てようとしているのなら、厳しく叱り続けることはないだろう。同じ部署の他の社員に対しても、同じくらい厳しく叱っているのならともかく、あなたにだけ厳しいようなら、それは「いじめ」である可能性が高い。決して「自分を鍛えるために、厳しくしてくれている」などと解釈しないほうがいい。
そのような受けとめ方をして、大人しく叱られ続けていると、その上司は「この部下は反抗しない、弱い奴」と見なし、いじめをエスカレートさせる可能性がある。上司は、何かのきっかけであなたに不満や不愉快なものを感じ、それを発散するタイミングを見計らっているのだ。あなたは反論したり、議論したりすることは避け、相手にすることなく、黙々と仕事をするのが正解だ。そうしながら上司の対応を観察するぐらいがいい。
2.上司の「なめられたくない」という気持ち
上司は部下を厳しく叱ることで「俺をなめるなよ!」と威嚇しているとも考えられる。言うならば、自信のなさの現われ、というわけだ。激しく叱り、あなたがうなだれる姿を他の社員に見せることで、「自分に逆らうと、こうなるのだ」というとこも考えられる。実際のところ、多くの上司は部下を押さえつけ、部署を統率したいという思いを持っているものだ。
責任感の強い上司なら、なおさらのことだ。こういう時に、弱い部下を社員の前で厳しく叱ることがある。つまり、自分の力を誇示するためのサンドバックのような役割をさせたいのだ。その役割をするのは、えてして反抗しない部下である。