未来のスポーツ選手育成に専門家も期待
アンリミティブの開発、販売促進にあたっては、スポーツの基本である“かけっこ”を普及していこうと「かけっこアタック」というイベントを各地で開催している、日本ランニング協会がサポートを行っている。発表会では同協会の代表理事である小林渉さんと、元競歩選手で五輪出場の経験もある、同協会のマスターインストラクターを務める園原健弘さんが登壇した。
「早くなるための秘訣は簡単。それは“楽しむ”こと。桐生(祥秀)君は10秒切るのに苦労したが、最後はいかにリラックスして力を抜いて走るかということだった。バンダイさんのようなエンターテインメントを主力にやっていた企業が、スポーツ、オリンピック選手を輩出する競技に関連する商品を開発したことに敬意を表するし、スポーツ関係者として嬉しく感じる。
12歳ぐらいまでにほぼ運動神経ができあがるので、小学生時代にいかに能力を開発するかが問われる。だが楽しまないと体も脳も発達しないし、小学生にはなにより継続させることが大事。今回はアプリと連動して自分の結果が客観的データとして瞬時にわかるし、ゲームといった娯楽性を持った内容でもあり期待している。アンリミティブを履いた小学生からきっといろいろなジャンルのスポーツ選手が出てくると思う」(園原さん)
また、バンダイの川口勝社長は「デジタルとリアルを融合した商品で、この先、業界の壁を打ち破る商品に育ってくれればうれしい。バンダイのアパレル事業部が商品化しているが、バンダイ全体の大きなチャレンジだと考えている。今後は全社を挙げて取りくんでいきたい」と期待を寄せた。
【AJの読み】大人向け、シニア向けにも作って欲しい
発表会会場では、アンリミティブを体験するコーナーも設けられた。本商品は小学生向けなので大人用は販売されないが、サンプル商品として作られたものを使用。アルティメットモードのメニューから、筋力を測定する「フットリフト」体験した。10秒間に何回腿上げができるかというものだが、15年以上運動とは遠ざかっているおばさんには10秒が永遠に感じられる。結果は28回でDランクの「マッスルビギナー」。一番下のEランクじゃなかったことに驚いた。
川口社長も自らアンリミティブを試して、惨憺たる結果に愕然としたそうで「この商品は小学生向けに販売するものだが、将来的には大人向け、シニア向けと広がっていくのではないかと自ら体感して思った」と話していた。ランニング愛好者の大人はもちろん、日常生活の歩数を記録するフィールドモードが搭載されているので、ウォーキングを日々の運動に取り入れているシニアにもニーズがあるのではないか。
文/阿部 純子