さて、新型ボルボV60 T5 Inscriptionの走行性能は、まさにダイナミックなものだった。乗り心地は標準の18インチタイヤ装着車でもライバルにくらべやや硬めだが、フラットかつ快適なタッチに終始。
オプションの19インチタイヤを装着すると、乗り心地の硬さが増すとともに、XC60のような、ほんの少し繊細な乗り味になる。
254psの動力性能は、高価なシルバーアクセサリーを思わせるスイッチで操作するドライブモードがコンフォート/エコの場合、低速域では比較的穏やか。しかし、アクセルを深く踏み込めば、胸のすく加速力をジェントルに発揮。ドライブモードをダイナミックにセットすれば、アクセルレスポンスはがぜん、鋭くなり、山道などで威力を発揮するダイナミックでスポーティーな走りも楽しめる。
が、乗り心地でベストなのは、T5 Inscriptionにオプション装備できるFOUR-Cと呼ばれるアクティブパフォーマンスシャシー装着車の「エコ」モード。かつてのボルボ・エステートのユーザーに刺さる、家族や愛犬とのんびりクルージングするライフスタイルにぴったりな、快適無比な乗り味が得られるのだ。試乗中、個人的にも「エコ」モードに入れっぱなしだった。