成功するフリーアドレスの条件
平山氏によると、フリーアドレスは、導入時に成功か失敗かが問われるそうだ。
「フリーアドレスを成功させるには、社員の腹落ちが最も重要です。いきなりトップダウンで導入するのではなく、丁寧な説明や合意形成のプロセスが大切。何のためにフリーアドレスにするのか、といった目的の共有がとても重要です。
また、フリーアドレスの方が快適で便利といった設えや運用を目指すこと。例えば、全体をカフェのような空間にする、集中できる場所を用意する、作業しやすい場所を用意する、フリーアドレスを機会に部長に相談しやすくなるなど、働く人にとって具体的なメリットが感じられるようにすることです」
フリーアドレスが成功している企業は多くあるが、いずれも社員の腹落ちと同意が得られた結果であるようだ。
【取材協力】
平山信彦(ひらやま のぶひこ)氏
株式会社内田洋行 執行役員 知的生産性研究所 所長
千葉大学工学部卒。内田洋行スペースデザイン室、INTERNI(米ロサンゼルス)、内田洋行環境デザイン研究所、千葉大学大学院非常勤講師などを経て2008年より現職。日本テレワーク学会理事。
画像提供:株式会社内田洋行
取材・文/石原亜香利