仕事で自分の意見を問われたときに何も答えられない、「君は自分の意見を持っていない」とずばり言われたなどの経験を持つ人は、おそらく日々、自分の発言に対して自信を持てないでいるだろう。自分の意見を持つことはビジネスにとって重要といわれるが、どうしてなのか。また自分の意見はどのようにして持つことができるようになるのか。話し方教室「ハナサク会話堂」のみやたさとし氏に聞いた。
「自分の意見を持っていないこと」がビジネスにマイナスな理由
みやた氏によると、「自分の意見を持っていない」ことで仕事がうまくいかず悩むビジネスパーソンは多いという。
「自分の意見を持っていない人は、厳密に言えば『自分の意見がない人』と『意見はあるけれど自信がなくて発言できない人』の2パターンいると思いますが、いずれにせよ自分の意見が言えないと、さまざまな場面で損をすることが多くなってしまいます。例えば、やりたくない仕事を押しつけられたり、仕事への意欲が欠けていると誤解され評価を落としてしまったりします」
そしてみやた氏は、自分の意見を持っていないことの一番のデメリットは、「信頼関係を築けないこと」にある述べる。
「自分の意見を言えない人は、いつも周りの意見に対して『私もそう思います』などと合わせてしまいがち。はじめは同意してもらえたと相手は喜ぶかもしれませんが、それが毎回となると次第に『何を考えているのかよくわからない人』『本心が見えない気味の悪い人』と思われてしまいます。これでは周りと良好な関係を築くことはむずかしいでしょう」
自分の意見を持つことの仕事上のメリット
自分の意見を持つと、仕事をする上でどのようなメリットがあるのか。
「自分の意見を持ち、それを発言することができるようになれば、先のデメリットで挙げた問題を解消することができます。上司や同僚、取引先と信頼関係を築きやすくなり、今よりものびのびと働けるようになるでしょう。安心して仕事を任せてもらえる機会も増えるはずです」
それ以外にも、次のメリットがあるという。
・しっかりした意見を持つ人として部下や後輩から尊敬される
・自己理解が深まり、主体的に仕事に取り組めるようになる
・自分のやりたい仕事を任されるチャンスが増える