「働く時間」をどのように使っているか、25社1万2000人の状況を調べたところ、トップ3は会議と資料作成、メール処理でした。中には、役員会議1時間につき、資料の準備に60時間以上も費やしていた会社もありました。
資料を作成する側も、見る側も効率的なのが1枚資料(通称ペライチ=紙一枚)です。トヨタ自動車をはじめ、多くの企業が採用している様式ですので、ぜひ活用してください。
様式を統一すれば皆ハッピー
100%の情報なんて集まりません。また、時間をかけて資料を作っても活用されなければ意味がありません。資料をレビューする側も情報量が多過ぎると頭に入りません。そこで、グループ・組織・会社単位で1枚資料の様式(フォーマット)を作って、それを使うルールを徹底させてください。
どう作ろうか考える時間、各上司による異なる指示で資料を作り直す時間をダイエットできます。そして、作成した資料を社内で広く共有してください。使いまわすことが最も効率が高いのです。
役員会議でしたらA3 1枚でいきましょう。資料は印刷しないことをお勧めします。A3資料の文字が見えにくければ、PCやタブレットでズームアップしてもらえばいいのです。
実際に、マイクロソフト在籍時は、ビルゲイツをはじめとする米国本社役員への説明は1枚で行っていました。年に一度米国本社で行っていた半日がかりの役員会議でも、1テーマにつき1枚で、各国の役員も同じテンプレートを使うルールになっていました。作る側も見る側も様式が統一していると目が慣れて効率よく情報共有が進みます。
1枚資料 基本様式
(1)題名は35字以内で目的が明確になるように記載しましょう。
(2)質疑応答も込みで所要時間を入れましょう。多くのケースで質疑応答により共感と意思決定が生まれますので、資料の説明だけで終わらないように気を付けてください。資料の棒読みなんて完全NGです。
(3)説明の流れはセクション番号で表現します。矢印で誘導することもできますが、番号の方が正確に誘導できます。相手を説得させるためにデータや表を使うのは良いですが多用し過ぎず。
(4)グラフのカラーは抑え気味で。アピールしたい部分はアクセントのあるカラーを使い視線を誘導しましょう。
(5)全体的にできる限り定量的に表現し、計画を説明する時は特に3W(いつWhen、誰がWho、何をするかWhat)を意識しましょう。
(6)資料の目的は相手を思い通どおりに動かすことですから、期待する行動(アクション)を必ず入れましょう。ここを注目させるために、視点を誘導しデータで裏付けしていくのです。