小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

職場での暴力への対処法

2018.09.14

■連載/あるあるビジネス処方箋

 前回、女子体操のパワハラを取り上げたが、今回は「暴力」という観点でとらえてみたい。この場合の「暴力」は、上司が部下を殴ったり、蹴ったりする場合を意味する。その逆もあるのかもしれないが、私が取材をしている限りでは、上司が部下を殴ったり、蹴ったりするケースのほうが多い。このような社内暴力がなぜ、発生するのかを考えてみたい。

1、上司は損得で判断し、殴る

 上司は、衝動的に部下をいきなりは殴らない。殴る部下のふだんの言動、勤務態度や仕事の実績、上司である自分との力関係、職場の状況や雰囲気、周囲の社員、社内の風土や態勢などを広い視野で冷静に考えたうえで殴っている可能性が高い。損得を考え、自分にとって不利がないと判断したから殴るのだ。自分が被害を受ける場合はまず殴らない。上司にも家族がいるし、守るべきものがある。

 たとえば、殴ろうとした部下がほかの上司を殴り、意識不明になるほどの重傷を負わせていたとするならば、上司は手を出さないはずだ。自分が殴り返される恐れを感じるからだ。あるいは、社長や役員が社内暴力を繰り返し禁じる発言をしていたり、実際に殴った管理職を厳しく処分し、降格にしたりしている場合も、部下を殴ることはしないだろう。

 このあたりのことが、今なお勘違いされている。上司が部下を殴ると、労働学者などは「成果主義のもと、ノルマなどで厳しく追い込まれ、ストレスがたまり、部下を殴った」とする。なぜか、決まってノルマや成果主義をやり玉に挙げる。しかし、そこまで言い切る根拠をいつまでも提示しない。

 私は、社内暴力の背景に成果主義を持ち出すのは説得力がない、と前々から考えている。成果主義が浸透している職場は多いが、そのようなところで必ずしも暴力があるわけではない。あるいは、基本給に占める年功給の比率が高く、社員間の競争がし烈とは言い難い職場であろうとも、暴力はある。

 部下を殴る上司を観察していると、極めて冷静に、慎重に考え抜いたうえで殴っている可能性が高い。暴力が許される風土や態勢になっていることこそが、問題であるのだ。

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年4月16日(火) 発売

DIME最新号は「名探偵コナン」特集!進化を続ける人気作品の魅力、制作の舞台裏まで徹底取材!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。