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多摩動物園が絶滅危惧種のチョウ、オガサワラシジミ繁殖に成功した理由

2018.09.06

身近にいる生き物にジッと目を凝らして。

昆虫は寿命が短くて、ほとんどが1年サイクルで世代が替わりします。死んだからと感傷的になっていたら仕事になりませんが、爬虫類のカナヘビが死んだ時はちょっと悲しかったし、がっかりしました。カナベビはデリケートな生き物で、展示しているこのサキシマカナベビもそうですが、路地でチョロチョロしているカナヘビも、飼うのは難しいと言われています。

カナヘビは生き餌しか食べませんので、動物園ではコオロギを与えているのですが、自然界では色々な昆虫を食べていると思う。カナヘビは世代を重ねて、安定的に繁殖させるには餌の問題があると思うのですが。今後の課題ですね。

ゾウやキリン等の大型動物と違い、昆虫や爬虫類や両生類は身近にいる生き物です。私は動物園で行われるサマースクールや、夏休みの宿題の課題に昆虫生態園を訪れる子供たちに、身近な生き物を伝えることが好きです。

例えばカエルは誰でも知っています。ここに展示されたアイフィンガーガエルは日本で唯一、子育てをするカエルなんです。森の中にいて木のくぼみの溜まった水に卵を産み付ける。すると、オスは卵が乾燥しないように水をかけに来るんです。孵化すると今度はメスが通い、無精卵を産んでオタマジャクシに食べさせる。

動物園ではケースに水ごけを敷き湿らせて、餌はコオロギを与えています。卵を産めばオスが水をかけに来て、孵化したオタマジャクシのお腹がぽっこりしていたら、メスが産んだ無精卵を食べたんだなとか、日々のいろんな発見を来園者に伝えたい。

ダイトウクダマキモドキは南西諸島の生き物ですが、これによく似たサトクダマキモドキやヤマクダマキモドキは、このあたりの林にも生息しています。飼い方はプラスチックのケースに、野山の植物をびんさしにして入れて、リンゴとコマツナを入れれば大丈夫。

擬態が得意なツダナナフシは、放射状に伸びるアダンの葉っぱに隠れている。ほらここにいます。昆虫や爬虫類、両生類はよく見ないとわからないものが多いのでその分、来園者と一緒に展示のケースに目を凝らし、集中して話をすることができます。

あっ、

ツクツクボウシの鳴き声が聞こえますね。今年はセミの声が早かった。6月の頭にはニィニィゼミが鳴きはじめて、次にアブラゼミ、ミンミンゼミ、ヒグラシの声が聞こえてきて、以前は西日本にしか生息していなかったクマゼミも聞こえる。ツクツクボウシは夏の最後に鳴くセミです。

セミの鳴き声で、夏の移り変わりを感じるのもいいものですね。

取材・文/根岸康雄
http://根岸康雄.yokohama

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