しかし、先ほどと同じように、「実際に働いているすがたを見たことがあるか」別に見ると、「あんな大人になりたい」と回答した子供の割合は、
父親の場合:働いている姿を「見たことがある」子供は60.2%、「見たことがない」子供は42%
母親の場合:働いている姿を「見たことがある」子供は57.2%、「見たことがない」子供は40.6%
父母どちらとも「見たことがない」子供に比べて20ポイント近い差となっている。
また、子供に「将来働くことを楽しみに感じているか」を聞いてみると、「楽しみ」と回答した子供の割合は、親の働く姿を「見たことがある」場合は78.2%、「見たことがない」場合は70.3%で、働くすがたを見たことがある子供のほうが楽しみにしている傾向に。
子供たちは、親の「働く姿」を見ることによって、働く大人への憧れをもち、「働く」という事への具体的なイメージを持ち始めるように思える。子のキャリア観を育てる“親の背中”は「働く姿」だった。
冒頭のMITの実験結果が、子供が真似て学習するのは「方法」だけではなく、「姿勢」も真似て学習するといった結果にもあったように、子供たちは親の就いている仕事の種類ではなく、仕事に「取り組んでいる姿」を見て、多くの情報、感情を得ているといえるのではないだろうか。
構成/編集部