米国企業で卓球台の導入が盛んなのは?
Google社やコカコーラ社など、米国の名だたる企業に共通する要素はいくつかあるが、その1つに「卓球台」がある。
最近、こうした有名企業は、自社のオフィスに卓球台を導入することに熱心だ。これは単に、余剰の福利厚生費を消化するという消極的理由でなく、ホワイトカラーの従業員にもっと生産性を上げてもうらためにほかならない。
いくつかの学術研究によれば、卓球をすることで、「集中力と思考力を高める」ことがわかっている。卓球ラケット製造販売のベンチャーUberpong社の創業者デヴィッド・ローは、「社員は、休憩時のアクティブな活動から戻ってくると、ぐったり疲れていて生産性が低下します。ですが、卓球の後ですと、よりシャープな戦略的思考をもって仕事に戻ります」と語っている。さらに、部署内の結束を強化する効果もあるという。
日本国内でもオフィス向け卓球台の販売が開始
日本では、卓球と企業の結びつきは長らく「社員旅行先の温泉に置かれた卓球台で親睦を深める」くらいしかなかったが、海外のトレンドを徐々に取り入れる機運が高まっているようだ。例えば、ヘアケア製品で有名なスヴェンソンのグループ会社の1つ、スヴェンソンスポーツマーケティング社(東京都)は、「T4 OFFICE」(下写真)という名のオフィス向け卓球台を、30台限定で売り出している。
本体価格は29万8000円(税抜価格)。ほかにラケットなどの用具がいるので、それなりの初期投資はかかるが、既に何社かの導入企業があり、好評だという。
導入した1社、ITビジネスの企画開発に携わるヘイ社は、「人がたまれる場所」、「打ち合わせテーブルとしても使える」、「インテリアとしても優秀」という条件を満たしていることから、購入に踏み切ったという。同社の久下さんは、「狙いは当たりました。勤務がおわると、スタッフが誰からともなくこのT4に集まってきて、プレーを楽しむっていうのが日課になりました」と語っている。
普段は仕事用のデスクとして使われているヘイ社の「T4 OFFICE」
男性向けスキンケアブランド「BULK HOMME」を持つバルクオム社も、「T4 OFFICE」を採用したメリットを享受している1社だ。同社の担当者は、「シンプルに言えば、カッコイイから置いてみただけ。それが社員の運動不足解消にもなるし、仕事以外の会話も増えて、いいことだらけ」と絶賛する。
「T4 OFFICE」は、ネットを取り外すと独立したテーブルになり、落ち着いたブラックの重厚感のある佇まいからミーティングや作業用のデスクにも最適。2分割することも可能で、持ち運びも楽に行えるのも、オフィス使用にはプラスのポイントだという。