●部下とのコミュニケーション
部下の気持ちを想像してみると…
『早く帰りたいのはやまやまだけど、上司や会社から理想論だけ言われても困る(上司が自分に仕事を押し付けて先に帰るのも辛いけど、残業されすぎても帰りにくい)』
上司としてどう働きかけるか:
人は、わからないことが多いと、悪い想像を膨らませ不安を感じることがあります。部下から誤解されないためにも、普段から、できる範囲で情報開示(会社の方針や部の目標、家族の話など)をしておきましょう。その上で、部下の事情や希望も踏まえつつ、皆が気持ちよく帰れるようにしたいという考えを伝え、自ら効率化と定時退社を実践する姿勢を見せるのがおすすめです。いざというときには、自分が多めに仕事を引き受けて、部下を守るというスタンスでいれば、理解も得やすくなるでしょう。
●同僚とのコミュニケーション
同僚の気持ちを想像してみると…
『大変なのはお互いさま。皆それぞれ事情があるわけで、仕事や休みは平等であるべきだと思う(でも実際は、要領がいい人ばかり得をしている気がしてモヤモヤすることも)』
同僚としてどう働きかけるか:
対等な仲間という関係なので、自分が1つ希望を通したら、相手の希望も1つ叶える(仕事を手伝うなど)というように、常に適切なバランスを意識します。ただ、こちらは公平だと思っていても相手が不満を感じていたら意味がないので、『この前〇〇してもらって助かったから、かわりに今日は私が〇〇を引き受けるね』など、互いに助け合える関係であることを言葉にして伝えるのも大切です。会社や上司の指示にどう対応すれば早く帰れるのか一緒に考える機会を作るなど、共通の目的や交渉相手を設定することで共感を高めるのも効果的です。
●人事とのコミュニケーション
人事の状況を想像してみると…
『規制を守りつつ、働き方改革の成果を上げないといけない。でも、各部署から反発されたり、こちらの仕事も増えたりで苦労が多い(多様性は大切だけど、全員の希望を聞きいれるのはむずかしいのが実情)』
一般社員としてどう働きかけるか:
人事に早く帰れないことへの不満をストレートにぶつけても、単なる個人の意見になってしまう可能性が高いので、人事の役に立つ、効率化と早帰りのロールモデルを目指すというスタンスをとってみるのはいかがでしょう。『書類の作り方を〇〇に変えたら、1時間の時短に成功して、スキルアップのための時間がとれるようになった』など、具体的なアイディアや体験談を提供して、人事が『あの人のように』と言いやすくなるような働き方を示すのです。前向きに協力していると、いざというときにこちらの要望も聞いてもらいやすくなると思います。