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23年目にして初対談!及川眠子×高橋洋子が語るエヴァの主題歌「残酷な天使のテーゼ」の生まれた瞬間

2018.08.25PR

実は一度も上手に歌えたことがない

高橋:『残酷な天使のテーゼ』の作詞をするとき「番組タイトルを入れてください」というようなオーダーはなかったんですか?

及川:アニメや特撮番組って、曲のタイトルや歌詞が宣伝にもなるので、一応大月さんに確認したんだけど、「入れなくていい」って言われたの。入れようと思えばサビの最初のところに「♪し~んせいきエヴァンゲリオン」って入れることはできる。でもそれだと、音の乗り方がダサいんだけどね。

高橋:確かに……それで歌え、と言われたら歌いますよ、仕事ですから(笑)。でも入れない方が、その作品のためだけではなくて、ひとつの楽曲として成立するものになる。それが今でも『残酷な天使のテーゼ』がカラオケで歌われている理由なんでしょうね。

及川:そうね。あとはやっぱり「歌い切った!」と感じるからじゃない? 例えば2コーラス終わって、間奏がなくてすぐBメロに行って、サビに行くっていう構成とかね。

高橋:「神話になれ 人は~」のところですよね。

及川:あのしんどさが、やり切った感になるという。

高橋:私としては「息を吸わせて!」と思うところです(笑)。

及川:あとは「神話になれ」という言い切りね。

高橋:実はこの楽曲、歌うのがとても難しいんですよ。実は私としては、上手に歌えたことがないんです(笑)。だから皆さんが歌いたいと思うのって、どこかで今度は上手く歌ってリベンジしようとか、難しいからこそ「自分は歌えてる!」と感じているところもあるのかな。これ、眠子さんに歌詞を書いてもらう前に「ラララ」で仮歌を歌ったんですけど、本当に難しいんですよ。音域は広いし、音は飛ぶ、しかもブレスするところがなかったり。あとメロディが変則的ですよね?

及川:そう、サビのところは同じメロディを3回繰り返すの。こういう楽曲って他にない。変なんだよね。

高橋:そう、だからラララで歌った時は、もう目一杯不自然!(笑) でも眠子さんの歌詞がついたら自然に歌える。これって、皆さん気づいてないんじゃないかな? その秘密を眠子さんが大公開した本『ネコの手も貸したい』の中で解説しているんですよね。読むと「ああ、なるほど!」ってなりますし、私もいくつも気づきがありましたよ。作詞家ってこうやって曲を聴いているんだ、って。読んで、さらにリスペクトですよ!

及川:読んでくれたんだ、ありがとう(笑)。

右:『ネコの手も貸したい 及川眠子流作詞術』(リットーミュージック)
左:『残酷な天使のテーゼ/魂のルフラン』(キングレコード)

高橋:もちろんです! 眠子さんの詞って言葉に力があるから、なんとなく歌えないんですよ。それってどうしてなんだろう、というのがわかりました。こうやって考えていると、人の心に届く言葉を使えるんだ、ということはそれって仕事でいいプレゼンテーションをしたいとか、心に残る話をしたいという人は参考になるんじゃないかなって思いました。

及川:詞もそうなんだけど、しゃべっている言葉も「リズム感」が大事で、リズム感悪い人の話って長く感じるし、聞いているとしんどいんだよね(笑)。例えば関西人って会話のテンポ感が刷り込まれていて、相手の話の最後のところにシュッとネタをかぶせてくる。そこにさらにかぶせてきたり、スッと抜く間もあったりする。そうした生まれた地域独特のもの、持って生まれたリズム感もあるけど、本を読んで言葉のチョイスの仕方を真似してもらったら、みんなに気持ちよく聞いてもらえるスピーチができるようになるかもしれないかな。

高橋:言葉を扱う上でそういう発想があるかないかで変わってきますよね。それって意識したら変えられることなんだけど、普段から考えていない、気づいていないから変えられないけど、それがよく知っているエヴァの曲の歌詞で知ることができれば、より染み入るんじゃないかなって思いますよ。作品を作っているクリエイター、アイデアを生み出したい人、絵や歌など表現することに関わっている方たちにもぜひ読んでもらいたいですね。

『残酷な天使のテーゼ』MUSIC VIDEO(HDver.)/Zankoku na Tenshi no Te-ze“The Cruel Angel’s Thesis”が、youtubeにて好評配信中

また
Apple Music/iTunes/にて全世界配信
https://itunes.apple.com/jp/music-video/id1403661959?l=ja&ls=1&app=music

また日本国内は
animelo mix/レコチョク/mora ほかでも配信。

ジョイサウンドでは新映像でカラオケが歌える。
選曲番号はJOYSOUND MAX2ほかにて《193496》。
対応機種はJOYSOUND公式サイトでご確認下さい。

後編へ続く

取材・文/成田全(ナリタタモツ) 撮影/五十嵐 美弥 スタイリング/坂井望美
(C)カラー/Project Eva.

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